地域との連携
5月10日(土)に予定されていたPTA奉仕作業を中止した。雨天で警報級の大雨も予想されたからだ。翌日11日が予備日だったが、作業を行わないこととし、9日(金)に保護者にメールで連絡した。保護者にも教職員にもおおむね好評だった。
予定されていた作業は草刈りが中心だった。草が伸びてきてしまっていたので、校務員と校長で手分けして草刈りを行った。プールの北側と東側の法面は、2人で2時間ほどの作業だった。春の分の草刈りだけならば、校務員と校長でなんとかなると思えた。

学校に隣接した森の下草刈りは、3時間ほどかかった。
本校は校地が広く、職員が少ないので、校務員と級外職員だけで毎回、草刈り等を行うのは難しい。奉仕作業日を設けて一斉に行うのではなく、保護者も含めた地域ボランティアが、自分が都合のよいときに来て作業をしてもらう方がよいのではないか、と考えている。
保護者も教職員も負担が軽くなるような仕組みをつくっていくのがよいと思う。アイデアとしていくつか挙げてみる。
・ビオトープ周辺や校庭の南側などにあえて草刈りをしない、または草刈りの回数を減らすゾーンを設け、バッタなどの昆虫が育つ場所とする。草が生えていてもよいのだとすれば、作業は減る。
・PTA会費を値上げして、その費用でシルバー人材センターに作業を委託する。
・地域学校協働推進委員やコミュニティースクールを活用して、広くボランティアを募る。土日や祝日を含め、都合のよいときに作業をお願いし、燃料代等をPTAで負担する(本校には、村田さんをはじめ草刈りボランティアがすでに何人かいる。)
・保護者や児童の祖父母から、草刈り・草とりボランティアを募り、お子さん、お孫さんの授業参観も一緒におこなってもらう。期間を1週間程度設け、都合のよい日に来てもらう。
夏の時期の草刈りをどうするのかを考え、次回の奉仕作業のあり方を決めていきたい。次回は9月27日(土)予備日は翌日。
何かよいアイデアやご意見のある方は、コドモンまたは、学校宛電子メールでどうぞ。
環境教育
体育館通路にある多目的トイレの壁に作りかけていたツバメの巣は、途中で作るのをあきらめてしまいました。残念。もう少し人通りの多い場所の方が、お気に入りだったのでしょう。

笠原コミュニティセンターの玄関には、ツバメが巣をかけました。親鳥がひんぱんに出入りしています。

3年生が道徳で「ツバメの赤ちゃん」の学習をし、ワークシートをまとめていました。


笠原小周辺では、ツバメ、コシアカツバメ、イワツバメの3種が観察できます。
そのほかにも、ウグイス、キジ、ハクセキレイ、コジュケイ、キジバト、ヒヨドリ、ムクドリ、メジロ、シジュウカラ、ヒバリ、ホオジロ、アオサギ、ハシボソガラス、スズメなどがいます。
園と小学校との接続
私が、子どものころ好きだったアニメの1つに「ムーミン」があった。主人公のムーミンよりもスナフキンにあこがれていた。スナフキンは、いつもあちこちを旅していて、ときどきムーミン谷に戻ってくる。そしてムーミンたちにすてきな話をしてくれる。「スナフキン」をネット検索していただければ、ビジュアルも名言も多く見つかるだろう。
スナフキンを旅へと向かわせるのが、Wanderlust(ワンダーラスト)である。未知なる旅や探検への願望、放浪心などと訳される。ムーミンは、スナフキンに接することでムーミン谷以外の世界に興味やあこがれをもつ。
人は幼児期の愛着形成を経て、安全基地からの探索行動を始め、外の世界へと活動の範囲を広げていく。その水先案内人の一人が教師なのだと思う。外の世界の不思議や魅力を伝える大事な仕事である。学ぶ楽しさや友達といっしょに活動する良さを体験させることは、小中学校でもっと重要視されてよい。
幼児教育に携わっていた3年間で驚いたことがある。園には不就園はあるが、不登園はなかった。不登園調査もなかった。園では登園渋りや母子分離不安はあるが、不登園への危機感は感じられなかった。子どもたちは、園の環境ならば居られるのである。
子どもたちを外の世界へといざなう、スナフキンのような存在になるには、教師がもっと自由で楽しく仕事ができるようになるといい。そのために、校長として働き方改革を進め、教師が子どもたちとゆっくりと話ができる時間を生み出していきたい。
学ぶ意欲をなくし、傷つくことを恐れ、安全基地という殻に閉じこもってしまう不登校や引きこもりの子を新たにつくらないようにするためだ。
人は古来、Wanderlustがあることで、冒険や探検をとおして新たな発見をし、歴史をつくってきているのだから。
以下は蛇足。
サカナクションの「怪獣」という曲の歌詞が、個人的に大好きだ。「この世界は好都合に未完成 だから知りたいんだ」
ポール・マッカートニーの「タッグ・オブ・ウオー」(1982年)というアルバムに「Wanderlust(ワンダーラスト)」という曲がある。高校時代から大好きで、今もレコードで聴いている。
地域との連携
令和7年度も年9回の朝の読み聞かせ(8:05~8:15)を行います。5/12,7/7,9/8,10/6,11/4,12/1,1/19,2/16の予定です。笠原地区の読み聞かせボランティアグループ「ゆりかご」の5人が、長年続けてくださっています。今日が第1回目です。







6学年分をカバーするために、校長、教頭、教務主任が順番に入ります。今日は校長が6年の読み聞かせを担当しました。

6年の総合的な学習の時間では、キャリア教育として将来の職業を考えています。ロイロノートの提出箱を見ると、いろいろな職業に興味をもっていることが分かりました。そこで今回は、この本の一部を読み聞かせしました。

「仕事を選ぶ 先輩が語る働く現場64」朝日学生新聞社(2014年)です。漫画家とゲームプロデューサーのページを読みました。忍たま乱太郎の作者の尼子騒兵衛さんが女性だと知って、驚いている子がいました。

ロイロノートの提出箱からいくつか紹介します。



探究が進んだら、地域の人材を活用して、職業講話をお願いしていこうと考えています。
地域との連携
5月11日(日) 昼から1時間半ほど作業を行いました。西門の崖にある樹木が朽ちていて倒れる危険があったので、相談したところ、地域の方々が切ってくれることになったのです。
笠原コミュニティーセンターの後藤館長、笠原地区青少年健全育成会長の及川さん、連合自治会長の山本さん、地元の市議会議員の夏目さん、校庭の草刈りもやってくださっている村田さん、本校校務員の山下さん、校長の7人で作業を行いました。
13:30開始と聞いていたのですが、実際は13:00より前に作業が始まっていたようです。一番遅かったのが、校長でした。申し訳ありません。


後藤館長が木に登ってチェーンソーで太い枝を切り落としました。あいかわらず身軽で、新品のチェーンソーを巧みに使い、職人技で次々に切っていきました。上の画像では木の上の館長の姿がよく分からないのですが、忍者のように樹上に潜んでおります。

太い木が道路に落とされると、及川さんが器用にどんどん細かくしていきます。
ソメイヨシノの根元の直径は60cmほどあり、中は茶色く朽ちてしまっていました。

中から、クチキゴキブリが数匹出てきました。野外で本物を見たのは初めてでした。5cm以上の大きさで翅がありませんでした。
朽ちていたソメイヨシノ2本、ヒノキ1本を伐採し、枝を落とし、幹は60cmほどに切りました。処分するために運ぶことはせず、校地内の森に積んで朽ちさせます。

枯れた樹木は、夏目議員が「これも伐りましょう」と、言いながら手で倒しました。すごい!

子どもたちが登下校で通る坂道に覆いかぶさるように枝を伸ばしている木でした。根元に空洞が大きく開いて中が朽ちていることが確認できたので、教育委員会に伐採を頼んでいたのですが、それよりも早く地元の有志で子どもの安全を確保していただきました。本当にありがとうございました。
クチキゴキブリに翅がなかったのが気になったで調べたら、びっくりでした。九州大学すごいです。
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/563/
その他
朝の時間を使って「健康の日」で学級指導が行われました。




そのときの資料です。
5月「健康の日」.pdf

休み時間や放課後に子どもたちと話をしていると、ゲームやスマホの話題が多いです。笠原っ子の場合、5年生ごろから自分のスマホを買い与えられるのが急に多くなる印象です。中には低学年のころから、兄や姉のスマホのお下がりをもらって使っている子も見かけます。放課後、学校に遊びに来た子に話しかけると、自慢げに自分のスマホを見せながら、いろいろ話をしてくれます。
小さいころからICT機器を使いこなすのはすごいことですが、心配なこともあります。利用時間に歯止めが聞かず、動画の視聴やゲームに多くの時間を費やしてしまう子もいます。ゲーム依存の状態になると夜中までゲームをやめられず、休日は10時間くらい続ける子も出てきます。
ネットの世界は、危険がたくさんあります。自動車の運転は年齢制限があり、運転免許証が必要なことから、子どもが交通事故を引き起こすことはほとんどありません。
しかし、ネットの世界は子どもも大人と同じように利用できてしまうため、野放しにしておくと、その子の一生に影響を与えるような事態が起きかねません。その子だけでなく、保護者にも金銭的、社会的に大きな被害が出ることもあります。親の監督が不十分なまま我が子にスマホを使わせることは、自動車で言えば、無免許運転を認めているのと同じことなのだと私は思います。
浅羽学園では、小中学校でメディアの利用について指導をしていきますが、学校任せにせず、ご家庭でも話題にしていただくようお願いします。
笠原の歴史
第1回会礼での校長の話
いきなり難しい漢字ですが、読めますか?(「腕白」と書かれた紙を見せる。)わんぱくと読みます。どんな意味か知っていますか。古い「広辞苑」という国語辞典で調べたら、こんなふうに載っていました。
「子どもがいたずらで(大人の)言うことを聞かないこと。わがままで悪さをすること。」
あまりいい意味ではないようです。昔、笠原の人たちは、学校の森を遊び場にし、その名前を「わんぱく広場」としました。滑り台やアスレチックもあって、自由に遊べたそうです。30年以上も放っておかれて荒れていたのを山下さんと校長で整備しました。去年の6年生も、「小さな森の小川」を復活させてくれました。学校の横にこんなに豊かな自然があることは、笠原小学校の大きな自慢です。
「子どもたちだけで遊ばない」という約束を笠原っ子はしっかり守っていましたが、新しく来た先生たちは、森で遊ぶことは危険だと感じたみたいです。きちんと決まりを作るまで休み時間の立ち入りをとめました。急に遊べなくなったので、校長室に「また遊びたい」と言いに来る子が何人もいました。
子どもたちにけがをさせたくないという先生たちの考えも分かります。でも、大人の都合できまりを作って子どもたちに守らせるだけでは、学校は楽しくならないし、自分たちで考える子は育ちません。「わんぱく」という名前をつけた地域の人たちの思いも大切したいです。安全に遊べるような決まりを、子どもたちが作り、先生たちと話し合ってこれなら大丈夫というふうにしたいです。このまま森を使わなくなると、また荒れ果ててしまいます。
学校の近くの川や水路で子どもたちだけで遊んでいると、地域の人から学校に連絡が来ることがあります。地域の人もみんなのことを心配しているのです。川や水路で遊ぶことも森で遊ぶことも、全部禁止するのではなく、自然豊かな笠原で、子どもたちが安全について考えるチャンスにしたいです。
先生や大人の言うことを聞くだけのいい子では、これからの時代に強く生きていけません。「わんぱく」って、大人に成長していく途中で大事なことだと、私は思います。みんなは、笠原小学校で明るく元気に過ごし、一人一人が輝く子になってください。
今日の午前中に5年生といっしょにお茶摘みに行って、荻原製茶でお土産をもらってきました。お茶の木です。来週、ビオトープに植えようと思います。5年生には、日本一お茶に詳しい小学生になってほしいです。