本人から話を聞くことの良さ
2025年11月11日 13時40分11月7日(金)に行われた静岡県校長会小笠・榛原大会では、午後から鈴木寛 氏の講演を聴いた。すごく納得した。「熟議」「アクティブラーニング」「探究学習」「個別最適な学び」などを、文部科学大臣補佐官を務めた当時に発信した本人である。
「ほうれんそう」のときと同じく、本人からの説明を受ける良さを改めて感じた。https://kasahara-e.fukuroi.ed.jp/plugin/blogs/show/17/53/2822#frame-53
用語は伝言ゲームのように、伝わるうちに意味や使われ方が少しずつ変わっていく危険がある。また、理解する側の問題もあり、自分に都合よく受け取ってしまうバイアスが起こりうる。
鈴木氏によれば、「個別最適な学び」とは、もともと「公正に個別最適な学び」という表現であり、平等から公正への転換が大切だと訴えた。本人が一番大切に思っていた「公正」の部分が抜け落ちてしまったそうだ。
鈴木氏の指摘どおり、教育現場は「どの子にも同じように」という形式的平等主義の傾向があると思う。
多くの教員は、視覚文字優位という教え方が生んだ成功者である。その教員が、自分の得意な認知方法で子どもたちに授業をするのは、公正ではない。聴覚優位、身体優位などの認知特性やその子に合った学習特性に合わせて学びをカスタマイズするのが「公正に個別最適な学び」なのだ。発想の転換が必要で授業改善のヒントになる。
自分で学べる子は自分で学ばせ、必要な子に手を掛ける1対1の指導を大切にしてほしい。そのためのツールが、ICTである。
私は、校長として笠原小の教員に、そのことを伝えたい。
本校の先生方がよく行っている教え方で例を示してみよう。
【形式的平等】
算数で教科書での学習が終わり、残りの時間は、個別端末を使って一斉にドリル学習を行わせている。
【公正に個別最適化な学び】
算数で教科書での学習が終わり、残りの時間は、理解できていない子たちに1対1でその子に合わせた教え方で教員がかかわる。一人で学べる子には、ICT機器でドリル学習をさせる。時間を生み出すために教師の独りよがりの説明(語り)を減らし、説明の動画等も活用する。