園と小学校との接続
6月9日(月) 会礼 校長の話
笠原小学校の先生たちが今、一番がんばっていることは、学校を楽しくすることです。そのために、学習のやり方を工夫したり、一人一人に寄りそって話を聞いたりしています。笠原っ子のみんなが、学校に来るのが楽しいと強く思えるようになってほしいのです。
でも、先生たちだけががんばっていれば、学校は楽しくなるでしょうか。私は、笠原っ子もいっしょにがんばらないと、楽しい学校にならないと思います。だから、今日はみんなにお願いしたいことを話します。
学校が楽しくなるには、まず、学校でいやなことが起きないようにしたいです。いじめや仲間外れや悪口があったら、学校は楽しくなりません。
幼稚園、保育園、こども園の先生たちが、2歳や3歳の子たちに園での生活が楽しくなるように教えてくれた3つの言葉を覚えていますか。
1つめは、「やめて」です。お友達からいやなことをされたときに伝える言葉です。相手が嫌がっていたら、やめてあげないと、楽しくなくなります。
2つめは、「いれて」です。いっしょに遊びたいときに伝える言葉です。園の子たちは、「いいよ」と返事をします。仲間外れやいじめがあると、楽しくなくなります。
3つめは、「ごめんね」です。相手が嫌がることをしてしまったときに謝る言葉です。「ごめんね」と言われたら、園の子たちは「いいよ」とか「はいね」と答えます。自分が悪かったことを認め、相手を許してあげることを園の先生は丁寧に教えてくれたはずです。「自分は悪くない」と意地を張っていると、相手は楽しくなくなります。
小学校でも同じです。「やめて」「いれて」「ごめんね」は大切な言葉です。
あなたは、友達がよくないことをしていたら、注意しますか?(手を挙げさせる)
でも、注意の仕方がよくないと、相手を怒らせてしまい、注意してもやめてくれません。注意するのは、笠原小の先生に任せてください。相手が嫌なことをしていたら、「やめて」と伝えます。それでもやめてくれないときは、笠原小の先生に相談しましょう。担任の先生でなくてもいいです。先生たちが何とかします。
今から2500年より前の大昔の偉い人が、みんなが幸せになるためのやり方を伝えてくれています。孔子という人の言葉です。「己の欲せざるところは 人に施すことなかれ」意味は、学年ごとに担任の先生が伝えてあげてください。
楽しい学校になったかどうかを、6月30日に笠原っ子にアンケートで聞きます。「やめて」「いれて」「ごめんね」とお友達に言われたら、「いいよ」と答えて、子どもたちの力で楽しい学校をつくってください。これで、私の話を終わります。
環境教育
学校に隣接した森は、20年以上放置されたため、荒れていました。
昨年の春には、つる植物が樹木に巻き付き、マント群落になって、森の奥が見通せない状態でした。つるを根元から切って枯らせ、樹木の枝はらいや間伐を続けました。
昨年度の秋からは、横枝や徒長枝の剪定を行い。林床を明るくするようにしてきました。
昨日と今日で枝が重なっている部分をチェーンソーや手のこで切っていき、地面に日が当たる部分ができました。切った枝は、山にして積んであります。





斜面は崩れやすく、やわらかいので、樹木が斜めに生えているところがいくつかあります。


里山は、適度に人の手が入ることで良好な自然環境が維持されます。子どもたちの遊び場や自然観察の場として、整備を続けていこうと思います。
地域の方で、キャンプが好きな方がいれば、薪になる木がいくらでもありますので、取っていってください。ついでに枝はらいや伐採、草刈りのお手伝いをしていただければ助かります。
園と小学校との接続
午前中に笠原こども園を訪問した。1年生と年長児の交流があったからだ。園の保育者と小学校の教諭が一緒に活動するのを見るのは、興味深い。 
しっかり話を聞けない子や、並ばない子がいると、先に近寄っていくのは、ほとんど小学校教諭である。許せないし、指導したくなってしまう性分なのである。上の画像で真ん中にいるのは、小学校教諭である。
いっぽう、園の保育者は、子どもの安全に関するときは、動きが速い。そうでなければ、見守っていることが多い。上の画像でも、並ばず、リレーに加わらない子(タイヤの上の3人)がいても、近くに寄りそっている。無理に走らせようとはしない。下の画像でバトンパスを見届けている真ん中の大人は、園の保育者である。

リレーに加わらなかった子は、自分のペースで司会や実況中継を始め、気が向けば集団にひょこっと入ってくる。ほかの子の動きを見ていないわけではないのだ。園ではこういう子が許され、居場所が確保されているから心理的な安全性が高まるのだと思う。
小学校の体育ではどうだろうか。気が向かなければ走らず、集団行動ができず、自分勝手に実況中継をする子は、教員から注意を受けるはずである。困った子として、就学支援の対象にあがるのも時間の問題である。
子どもにしてみれば、園のときには大目に見て許されていたことが、小学校では怒られる材料となる。混乱し、自己肯定感が下がり、二次障害を発症する。「学校は楽しくない」と。
小学校1年の担任は、園の保育者から大いに学ぶべきである。架け橋期がうまくいくコツは、プログラムの内容よりも、教員の心の持ちようである。
車の運転に例えれば、小学校教諭は、早いタイミングでブレーキをよく踏む。園の保育者は、エンジンブレーキをうまく使いながら、ブレーキをあまり踏まないで運転する。下り坂が続く運転では、車に勢いがついている。ブレーキを踏み続ければ「フェード現象」が起き、加熱により制動力が低下する。
小学校教諭は、しゃべりすぎ、指導しすぎて子どもの主体性や自己肯定感を下げてしまう危険性があることを自覚すべきだ。園を訪問して保育者の支援や指導の仕方を見るのが勉強になる。
今日、リレーに加わらなかった子は、来年度本校に入学してくる。そのとき、その子が混乱しないような指導体制を整えることが、架け橋期には重要なことなのだ。園の保育者のようなブレーキの踏み方を小学校教諭にも覚えてもらい、切り替えができるようにすることが、インクルーシブ教育につながる。
小学校ではあいさつの習慣を身に付けさせるのに苦労しているが、こども園では、園児がよくあいさつをしてくれる。

その他
学校近くの茶畑では、二番茶の芽が伸びてきました。小笠山の尾根筋の緑の色が濃くなってきました。

その他
図書室南側の花壇できれいに咲いています。子どもたちは、あまり気に留めません。初夏の笠原小は花がいっぱいです。


ビオトープには、園芸品種のカキツバタ(アイリス)がきれいに咲いています。

その他
養護教諭から、全校児童のメディア利用時間一覧が届きました。子どもたちによる自己申告なので、実際の時間はもっと多いのかもしれないと考えています。
結果は、全校児童119人のうち、平日のメディア利用時間4時間以上の子が、12人いました。10%を超えています。特に6年生で比率が高く、25%となっています。平日で5時間以上、スマホ、パソコン、テレビ、ゲーム等を利用している子が、4人いました。視力低下、ゲーム依存などが心配になります。
環境教育
6月4日は、6(む)4(し)の語呂合わせで、虫の日です。「日本昆虫クラブ」のメンバーである解剖学者の養老孟司(ようろう たけし)さんたちが呼びかけ、2018年(平成30年)から認定・登録されているそうです。
自然環境が豊かな本校でも、虫好きな子が増えるといいです。
昆虫写真家の村松佳優(むらまつ よしひろ)さんから、「ムシミル」0号と1号が届きました。私が個人的にお試しセットを注文しました。モンシロチョウのページは、3年生に見せたいと思います。
