防災
本校の沿革誌をみると、どんなことが起きていたのかが分かります。百年前は、大正13年。皇太子(のちの昭和天皇)ご成婚、元総理大臣の松方正義追悼の行事等があり、近現代史を生で感じられます。
101年前の9月1日には、関東大震災が起きていたことから、注意喚起のためのビラを配っていたことが分かります。ただ、避難訓練や防災訓練をやっていた記録はありませんでした。
「天災は忘れたころにやってくる」の言い伝えを忘れず、大地震に備えなければと思います。本校職員は、毎月、自分用の非常食を確保し、まとめて保存しています。
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本校の校歌の3番は勇ましい歌詞です。百年前の時代背景が出ているような感じです。子どもたちが歌うことはめったにありませんが、注目です。(なお、本校が右寄りな学校というわけではありません。)
3番
鼓涛の名ひろく 聞こえたり
この誉いよいよ 高く掲ぐべく
御国のため 努め励みていざや
まことの道を 雄々しく進まん
その他
学校の財産は、人である。私は、「人材」という言葉に違和感を感じる。何か、人を材料や部品のように扱っているように思えてしまうからである。事務職員、校務員、支援員をはじめ、教員もみな、学校という組織の財産である。財産としての人なのだから、「人財」という漢字の方がしっくりくる。
校長は、それぞれにがんばっている教職員の個々の価値を上げるのが仕事なのだと思う。仕事にやりがいをもてるように動機づけを行い、成長の過程を見守り、支えていくようにしなければと思う。
無求備於一人(備わるを一人に求めることなかれ)
論語の微子編に、「(上に立つものは)人にあれもこれも求めてはならない」という一節がある。人間には長所も短所もあり、完全無欠ではないのだから、寛容さを発揮し、よさを伸ばすことで職員のキャリアアップの手伝いをしていきたい。校長になって1か月半たって、身に染みて思う。
園と小学校との接続
こんなことに気付きました。小学校低学年の子どもたちの多くは、学級担任の名前を名字ではなく下の名前で呼びます。これは、園のなごりだと思います。園では通常、園長先生以外、名前で呼ばれるのです。(同じ苗字がかぶっている場合を除く)高学年になるにつれて、学級担任を名字で〇〇先生と呼ぶようになります。
呼ばれ方だけでなく、教師の役割も園と小学校では違うと感じます。小学校では、教え、指導するのが主な役割になります。
しかし、園の先生の役割はもっと子どもに寄り添う伴走者としての要素が強いです。小学校教員も、幼稚園教育要領解説(文部科学省)の中の「教師の役割」の一節を読み込んでおくことで、園と小学校との円滑な接続につながると、私は感じます。
また、小学校に勤務する支援員さんたちには、子どもへのかかわり方で参考になるはずです。
幼稚園教諭としての役割を箇条書きすると、
1 幼児が行っている活動の理解者としての役割
2 幼児との共同作業者,幼児と共鳴する者としての役割
3 憧れを形成するモデルとしての役割や遊びの援助者としての 役割
小学校低学年の学級担任は、園の「教師の役割」を自分にだぶらせながら、生活科を教えてほしいと願っています。時間があるときに、続きにあるリンクを読んでみることをお勧めします。
幼稚園教育要領解説 第1章 第4節 3指導計画の 作成上の留意事項(7)教師の役割 109から111ページ
https://www.mext.go.jp/content/1384661_3_3.pdf
その他
4月の中頃、朝の昇降口での、ある1年生との会話
「おはよう、今日は学校で何して遊びたい?」
「かくれんぼ」
「そうか、かくれんぼか。」
そのあと、あいさつ運動をしていたにこにこ隊に相談。
「テレビ番組で、中学生や高校生が学校の中でかくれんぼするのがあるけど、知ってる? 芸能人がかくれるの。ああいうのいいよね。」
「知ってる。やってもいいの?」(探るような眼)
「先生たちがかくれたら、みんなで見つけてくれるかな。」
「やりたい。」
「じゃあ、計画立ててきて!」
1週間以上、何も起きなかったが、4月26日(金)の朝、にこにこ隊のしっかり者の女子が私にノートを手渡した。
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まだ、計画の途中だが反応を見にきたのだろう。私は、そのノートを齋藤先生に手渡した。
「なんとか実現できるように、子どもたちを助けてくれないか。」
子どもたちに「主体性」が足りないわけではない。学校が規則やきまりで「主体性」にブレーキをかけているのだと私は思う。こんなこといいなと思うことが、実現できたら、子どもたちはもっとやってみたいと思うだろう。うまくいったら子どもたちをほめればいいし、うまくいかなかったら子どもを責めず、先生方の責任にすればいい。そうやって自信を付けさせていけば、浅羽学園で目指している「主体性」が育っていくと信じている。学校がワクワクする場所になれば、いいな。
その他
桃太郎は、なぜ鬼退治ができたのでしょう。
まだ、子どもだし、家来もあまり強そうではありません。どうせならば、ジャイアンを連れて行けばいいのに、犬とさるときじなのです。犬たちだって、鬼に勝てなければ死んでしまうかもしれないのに、どうしてついていったのでしょう。
私は、桃太郎のひみつは「日本一」にあると思います。こういう旗に日本一、桃太郎と書いてあるのです。犬たちが食べたのも日本一のきびだんごでした。日本一はすごいのです。
でも、本当に桃太郎は日本一だったのでしょうか。きびだんごだって本当に日本一だったのでしょうか。そのことはお話の中からはわかりません。でも日本一だから勝てたのです。もし、桃太郎の旗に「笠原一」とか「袋井一」と書いてあったらどうでしょう。私は鬼退治に失敗したかもしれないと思うのです。
校長先生は、笠原小学校を日本一にしようと考えました。勉強で日本一はどうでしょう。運動で日本一はどうでしょう。うーん、むずかしいと思いました。校長先生は、考えた。いろいろ考えた。うんと考えた。そうだ、〇〇で日本一になろう。
みなさんは、この漢字が読めますか。「挨拶」(紙を見せる)
あいさつと読みます。この旗にも書いてあります。挨という字も拶という字もめったに使わない字です。2つの漢字とも同じような意味で、相手の心を押し開き、一歩中に入っていくということです。笠原小学校は、「挨拶日本一」になれます。
「おはようございます」だけが挨拶ではありません。ほかにはどんな挨拶がありますか?(子どもたちに尋ねる)そうですね。そういうあいさつで、日本一の小学校になりましょう。どうですか。挨拶日本一の笠原小学校ってかっこよくないですか。(子どもたちの反応を見る)
笠原っ子には、どうすれば挨拶日本一になれるのか考えてほしいです。
では、挨拶日本一を目指して練習してみましょう。
「こんにちは!」
先生方は、子どもたちのサポートをお願いします。でも、安心してください。鬼退治には行きませんから。
(令和6年度 5月7日 初めての会礼での校長の話)
働き方改革
3年ぶりに学校現場に戻ってきて、やはり学校は忙しいと感じる。教師の時間外勤務(残業)の上限については、平成31年に文部科学省からガイドラインが示されている。上限の目安は、1か月45時間、年間360時間である。
笠原小学校の4月の常勤職員19名の残業時間の平均は39時間15分だった。そのうち45時間以上の職員は5名(26.3%)だった。年度初めは特に忙しいので、仕方がないのかもしれないが、今後、残業をどのように減らしていくのかが課題である。
本校に2名配置されているスクールサポートスタッフを活用し、残業が多い職員の業務を重点的に支援していく。
とはいえ、月45時間以下の残業というのは、1日当たり約2時間に収める必要がある。1日の勤務時間は午前8時から午後4時30分までの7時間45分である。30分前に出勤し、午後6時ごろに帰ることを繰り返せば、上限の目安に達してしまう。激務である教頭や教務主任は、油断するとすぐに月60時間に達してしまうのである。
教員には4%の教職調整額が給与に上乗せされているが、1日当たりにすれば、約19分の残業手当しかつかない計算になる。
7時間45分は 7×60+45=465(分) 465分の4%は 465×0.04=18.6(分) 約19分である。小学校6年生でも計算できる。
19分の残業手当で2時間働くのが目安だと言っているのだから、そこから無理がある。休憩時間も十分に取れていない現実を目にすると、なんとかしたいと強く思うこのごろ。
特別支援教育
学校が子どもたちにとって居心地のよい場所になり、先生方のストレスも減る方法があります。「ちゃんと きちんと しっかりと」がいつもできていなくても大目に見ることです。学校がもう少しおおらかになってもよいのではと思うのです。
できていないことは指導したくなるし、できるようにさせなければと思うことで先生方も苦しくなります。教室が、何もかもきちんとできていないと居てはいけないのでは、息苦しいです。1か0かの対応をやめて、部分的にできていることを認めていきましょう。
例えば、給食が苦手で休みがちな子がいるとします。給食前に下校することを認めれば安心して登校するのならば、まったく来ないよりもプラスになります。わがままとして片付けず、その子の気持ちに寄り添うのが「インクルーシブ」なのだと私は考えます。
「ちゃんと きちんと しっかりと」というシャツの3つのボタンが一部かかっていなくても、その子がそれでよいのならば、認めてあげればどうでしょうか。見えていても見えないふりができる先生もすてきだと思うのです。
防災
大きな地震のあとに津波がくることがあります。みなさんは津波のスピードを知っていますか。津波は海が深いほど速くなります。地球の裏側で津波が起きても1日で日本までとどきます。ジェット機くらいのスピードなのです。浅羽の海岸に近づくにつれてスピードが落ちていき、新幹線ぐらいのスピードで陸に上がります。
高さ10mの津波だと、笠原小の校舎3階くらいの高さの水の壁が新幹線くらいのスピードでぶつかってくるのです。海岸から笠原小までは、オリンピック100m走で金メダルの選手くらいのスピードでせまってきます。いくらみんなが走っても追いつかれてしまいます。津波警報が出たら、自分の命を守るためにとにかく高いところに逃げましょう。
南海トラフ地震の震源域内で津波が発生した場合、最短7分ほどで津波が到達するそうです。そのあと15分くらいで笠原小の下まで水がくるかもしれません。ゆれがおさまってから約20分で安全な場所にいなくてはなりません。笠原小学校の運動場は海からの高さが13mあります。津波が来るときには、校舎の上の階までにげる必要があります。
今、日本中で大きな地震が起きています。もし、地震が来たらすばやく避難して自分の命を守りましょう。
(4月30日 引き渡し訓練後 校長の話)