その他
4月の中頃、朝の昇降口での、ある1年生との会話
「おはよう、今日は学校で何して遊びたい?」
「かくれんぼ」
「そうか、かくれんぼか。」
そのあと、あいさつ運動をしていたにこにこ隊に相談。
「テレビ番組で、中学生や高校生が学校の中でかくれんぼするのがあるけど、知ってる? 芸能人がかくれるの。ああいうのいいよね。」
「知ってる。やってもいいの?」(探るような眼)
「先生たちがかくれたら、みんなで見つけてくれるかな。」
「やりたい。」
「じゃあ、計画立ててきて!」
1週間以上、何も起きなかったが、4月26日(金)の朝、にこにこ隊のしっかり者の女子が私にノートを手渡した。
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まだ、計画の途中だが反応を見にきたのだろう。私は、そのノートを齋藤先生に手渡した。
「なんとか実現できるように、子どもたちを助けてくれないか。」
子どもたちに「主体性」が足りないわけではない。学校が規則やきまりで「主体性」にブレーキをかけているのだと私は思う。こんなこといいなと思うことが、実現できたら、子どもたちはもっとやってみたいと思うだろう。うまくいったら子どもたちをほめればいいし、うまくいかなかったら子どもを責めず、先生方の責任にすればいい。そうやって自信を付けさせていけば、浅羽学園で目指している「主体性」が育っていくと信じている。学校がワクワクする場所になれば、いいな。
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その他
桃太郎は、なぜ鬼退治ができたのでしょう。
まだ、子どもだし、家来もあまり強そうではありません。どうせならば、ジャイアンを連れて行けばいいのに、犬とさるときじなのです。犬たちだって、鬼に勝てなければ死んでしまうかもしれないのに、どうしてついていったのでしょう。
私は、桃太郎のひみつは「日本一」にあると思います。こういう旗に日本一、桃太郎と書いてあるのです。犬たちが食べたのも日本一のきびだんごでした。日本一はすごいのです。
でも、本当に桃太郎は日本一だったのでしょうか。きびだんごだって本当に日本一だったのでしょうか。そのことはお話の中からはわかりません。でも日本一だから勝てたのです。もし、桃太郎の旗に「笠原一」とか「袋井一」と書いてあったらどうでしょう。私は鬼退治に失敗したかもしれないと思うのです。
校長先生は、笠原小学校を日本一にしようと考えました。勉強で日本一はどうでしょう。運動で日本一はどうでしょう。うーん、むずかしいと思いました。校長先生は、考えた。いろいろ考えた。うんと考えた。そうだ、〇〇で日本一になろう。
みなさんは、この漢字が読めますか。「挨拶」(紙を見せる)
あいさつと読みます。この旗にも書いてあります。挨という字も拶という字もめったに使わない字です。2つの漢字とも同じような意味で、相手の心を押し開き、一歩中に入っていくということです。笠原小学校は、「挨拶日本一」になれます。
「おはようございます」だけが挨拶ではありません。ほかにはどんな挨拶がありますか?(子どもたちに尋ねる)そうですね。そういうあいさつで、日本一の小学校になりましょう。どうですか。挨拶日本一の笠原小学校ってかっこよくないですか。(子どもたちの反応を見る)
笠原っ子には、どうすれば挨拶日本一になれるのか考えてほしいです。
では、挨拶日本一を目指して練習してみましょう。
「こんにちは!」
先生方は、子どもたちのサポートをお願いします。 でも、安心してください。鬼退治には行きませんから。
(令和6年度 5月7日 初めての会礼での校長の話)
働き方改革
3年ぶりに学校現場に戻ってきて、やはり学校は忙しいと感じる。教師の時間外勤務(残業)の上限については、平成31年に文部科学省からガイドラインが示されている。上限の目安は、1か月45時間、年間360時間である。
笠原小学校の4月の常勤職員19名の残業時間の平均は39時間15分だった。そのうち45時間以上の職員は5名(26.3%)だった。年度初めは特に忙しいので、仕方がないのかもしれないが、今後、残業をどのように減らしていくのかが課題である。
本校に2名配置されているスクールサポートスタッフを活用し、残業が多い職員の業務を重点的に支援していく。
とはいえ、月45時間以下の残業というのは、1日当たり約2時間に収める必要がある。1日の勤務時間は午前8時から午後4時30分までの7時間45分である。30分前に出勤し、午後6時ごろに帰ることを繰り返せば、上限の目安に達してしまう。激務である教頭や教務主任は、油断するとすぐに月60時間に達してしまうのである。
教員には4%の教職調整額が給与に上乗せされているが、1日当たりにすれば、約19分の残業手当しかつかない計算になる。
7時間45分は 7×60+45=465(分) 465分の4%は 465×0.04=18.6(分) 約19分である。小学校6年生でも計算できる。
19分の残業手当で2時間働くのが目安だと言っているのだから、そこから無理がある。休憩時間も十分に取れていない現実を目にすると、なんとかしたいと強く思うこのごろ。
特別支援教育
学校が子どもたちにとって居心地のよい場所になり、先生方のストレスも減る方法があります。「ちゃんと きちんと しっかりと」がいつもできていなくても大目に見ることです。学校がもう少しおおらかになってもよいのではと思うのです。
できていないことは指導したくなるし、できるようにさせなければと思うことで先生方も苦しくなります。教室が、何もかもきちんとできていないと居てはいけないのでは、息苦しいです。1か0かの対応をやめて、部分的にできていることを認めていきましょう。
例えば、給食が苦手で休みがちな子がいるとします。給食前に下校することを認めれば安心して登校するのならば、まったく来ないよりもプラスになります。わがままとして片付けず、その子の気持ちに寄り添うのが「インクルーシブ」なのだと私は考えます。
「ちゃんと きちんと しっかりと」というシャツの3つのボタンが一部かかっていなくても、その子がそれでよいのならば、認めてあげればどうでしょうか。見えていても見えないふりができる先生もすてきだと思うのです。
防災
大きな地震のあとに津波がくることがあります。みなさんは津波のスピードを知っていますか。津波は海が深いほど速くなります。地球の裏側で津波が起きても1日で日本までとどきます。ジェット機くらいのスピードなのです。浅羽の海岸に近づくにつれてスピードが落ちていき、新幹線ぐらいのスピードで陸に上がります。
高さ10mの津波だと、笠原小の校舎3階くらいの高さの水の壁が新幹線くらいのスピードでぶつかってくるのです。海岸から笠原小までは、オリンピック100m走で金メダルの選手くらいのスピードでせまってきます。いくらみんなが走っても追いつかれてしまいます。津波警報が出たら、自分の命を守るためにとにかく高いところに逃げましょう。
南海トラフ地震の震源域内で津波が発生した場合、最短7分ほどで津波が到達するそうです。そのあと15分くらいで笠原小の下まで水がくるかもしれません。ゆれがおさまってから約20分で安全な場所にいなくてはなりません。笠原小学校の運動場は海からの高さが13mあります。津波が来るときには、校舎の上の階までにげる必要があります。
今、日本中で大きな地震が起きています。もし、地震が来たらすばやく避難して自分の命を守りましょう。
(4月30日 引き渡し訓練後 校長の話)
授業
4月29日(月) 昭和の日
昭和後期の思い出に浸り、自宅で歌謡曲のレコードを聴いた。日本語の歌詞の中にときどき英語が入ってくる。自分が小学生の時は何を言っているのかさっぱりわからなかったが、中学、高校と進み、英語の歌詞の意味が分かるにつれ、同じことでも英語で言うとかっこいいということが私の頭に刷り込まれた気がする。今聴いてもすごいなと感じるおすすめの2枚を紹介。
ゴダイゴの「ビューティフル・ネーム」’79国際児童年協賛歌で、Every child has a beautiful name.と歌いかける。B面は全部英語で歌われている。後の銀河鉄道999にもつながるパターンである。早見 優の「夏色のナンシー」は、If you love me.のイフからして、 他のアイドルとはレベルの違う発音。
また、当時の洋画には、かっこいい決めぜりふがあった。
May the Force be with you.(スター・ウォーズ)
Go ahead, make my day.(ダーティーハリー4)
I'll be back.(ターミネーター)
深夜番組のベストヒットUSAで、MCの小林克也が流ちょうな英語でジョークを交えながら洋楽のアーティストと会話するのをあこがれて見ていた。なんか、英語ってかっこいいなというのが、学習の原動力だった気がする。
今の小学生は、低学年のうちから英語にふれる機会が多くなっているが、「かっこいい」というあこがれの気持ちで学ぶことができているだろうか。早期学習が英語嫌いを増やさないように気を付けたい。
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働き方改革
4月26日(金)午後から気温が上がるとのこと。朝、職員室で、「PTA総会を体育館で行わず、職員紹介もないので、今日の参観会と懇談会はふだんどおりの服装のままでよいです。わざわざ、着替えなくてもよいです。」と職員に伝えた。保護者が出入りする昇降口にはメッセージを貼っておいた。
本日は参観ありがとうございます。5時間目、学級担任はふだんどおりの服装で授業をします。ご容赦願います。PTA総会での職員紹介がありませんので、お子さんの担任以外のクラスもぜひごらんください。
PTA総会では、会長と校長が放送であいさつをした。資格確認と議事の承認は、ネット上で行った。何も問題はなかった。来年度は資料の印刷もやめてPDF化していけばよいと思った。以下は校長あいさつ。
新しく校長になりました岡本正彦です。よろしくお願いします。浅羽学園では、任せて認める指導により、子どもの居場所づくり、絆づくりと、わかる・できる・楽しい授業を実現していきます。あいさつ運動にも地区全体で取り組んでいきます。笠原小学校では、「一人一人が輝く学校」づくりを目標に子どもたちも先生も一人一人を認め、大切にしていく場所にします。 会長さん、副会長さんのご提案で、みんなで集まらなくてもよいPTA総会が実現しました。ありがとうございます。PTAの活動の負担軽減をめざして、今後も改革を進めていきたいと考えています。保護者も子どもも教職員もみんなが幸せになれるような仕組みを考え、できる人ができるときに学校と子どもたちのために協力し合う無理のない組織に変えていきましょう。ご理解とご協力をお願いいたします。
参観会も懇談会も多くの保護者に出席していただいた。 本校の学級担任からも保護者からも好評だった。PTA副会長さんとは、そのあと校長室で、今後のPTA改革について意見交換をした。今まで当たり前のようにやっていたことを少し変えるだけで、保護者も職員も楽になることを実感した。校内のことで、やめてもよいことなら、コロナ禍以前のやり方に戻す必要はない。そのために、校長が変わることを恐れず、ウェルカムな姿勢を示すことが呼び水となるのだろう。
その他
ピーター・ドラッカーが50 年ほど前に書いた「マネジメント」という本の中にこんな話があります。石切り場で働く職人に声を掛け、「あなたは何をしているのか」と尋ねたところ、1 人目は「生活の糧を得ている」、2 人目は「職人として一流の仕事をしている」、3 人目は「教会を作っている」と答えたそうです。マネジメントが分かっているのは3 人目の職人だというのです。
私たちの職場で考えてみましょう。「あなたは何のために学校にいるのですか」と尋ねられたら、「給料をもらうため」「自分の優れた授業力を発揮するため」と答えますか? マネジメントが分かっている教職員の答えは、「学校経営方針を実現させるために学校にいる」です。本校の学校経営方針は、「『一人一人が輝く』学校づくり」です。一人一人を輝かせるためにみなさんはここにいるのです。
どろだんごに細かい粉をつけて磨くと、自分の顔が映るくらい輝くようになります。園の子どもたちでも根気よく磨いてピカピカにしていきます。小学校の子どもたちをだんごに例えると、一斉指導ではどの子も同じ力加減で同じ磨き方をしているようなものです。輝かせる前に割ってしまってはいけません。
紙やすりには番号が付いていて、番号が大きいほど目が細かくなります。一斉学習は、どのだんごも同じ目の粗さの紙やすりでこすっているようなものです。定型発達の子だけをターゲットにして学習を構想すると、子どもによっては、磨かれるのではなく、削られたり、傷をつけられたりすることになりかねません。個別最適な学びでは、その子の状態によって紙やすりの番号を変えるような繊細さが求められます。ドリルパーク等は個に合わせた学習ができるツールだと感じました。
笠原小学校の教職員は、子どもたちが「一人一人が輝く」ようにそれぞれの立場で力を発揮してほしいです。子どもたちが輝くことの照り返しで、みなさん自身も輝いてほしいと願っています。
(第3回職員会議 校長指示事項より)