虫捕りは脳を刺激し豊かな感性を育む
2025年9月10日 14時50分子どもたちの豊かな感性を育むために、1~4年生は、小動物や虫にたっぷりと親しませるのがよい。幸いにも本校には、ビオトープや森があり、生き物が多い。豊かな自然を生かす、本校ならではの特色ある教育活動になるのではないか。学校に捕虫網を新たに補充し、子どもたちが自由に使えるようにするつもりである。
バーチャルなゲームの世界では、画面の中で探し物を見つけたり、敵を倒したりする。ゲームの操作は、目と指先の細かい動きに大きく頼っている。いっぽう、トンボとりではどうか。自分の腕に捕虫網の柄の長さを足し、高速で動いているトンボを網の中に入れることは、空間認知能力を大いに高める訓練になる。トンボとりは、ゲームとしてもおもしろい。
また、昆虫のような小さなものをつまむことは、力の入れ具合やつかみ方を調整しなくてはならず、脳を刺激する。バッタとカニではつまむときの力加減が違うのである。
幼児期から10歳くらいまでに「感覚統合」がうまくいかないと、学校生活や学習に支障をきたすようになることがある。虫捕りを楽しみながら体を動かし、目、耳、鼻などの感覚器官を刺激し、脳の機能を高めていくことで、体の使い方が上手になり、様々な活動に主体的に取り組めるようになっていくだろう。私の経験上だが、発達障がいの子の療育にも、虫捕りは、ぴったりの活動である。
虫をつかまえて触れ、体のつくり、形や色の違いに気付き、名前を覚えて、豊かな感性が育っていく。人に比べて寿命が短く、環境による影響を昆虫は受けやすい。多様な昆虫が生きられる土地が、本当に持続可能な世界なのだ。未来の笠原がそんな場所になることを願っている。