朝読書の時間に、３年生の教室で飼育していたアゲハのさなぎを見に行くと、腹に穴が開いていました。子どもたちに伝えました。「寄生バチにやられて中身を食べられているからもうチョウにはならない。」と。

　「かわいそう」という声が聞かれましたが、こう続けました。「自然の中では、産んだたまごがすべてチョウになってしまうと、地球上がチョウだらけになってしまう。１００このたまごのうち、２、３びきがチョウになるくらいです。」

　モンシロチョウの幼虫に寄生するコマユバチのなかま以外にも、アゲハヒメバチといって、さなぎの中で成虫になって出てくる虫がいます。自然界の生存競争は、厳しいと実感します。人間は生まれた子どもは、だいたい大人まで育ちますから。笠原小の１１９人の子どものうち、２人くらいしか大人になれないなんてことはありえませんが、昆虫の世界では、ふつうのことなのです。