校長のあたまのなか

笠原地区の地質と地形

2025年4月24日 12時49分
防災

 4月26日(土)13:30~ 笠原地区まちづくり協議会に出席し、通学路変更までの経緯と、防災上の注意喚起を説明する時間をいただきました。資料を整理し、分かりやすい説明になるように準備しているところです。今まで学校ホームページで公開してきた情報に加え、地質と地形の資料を補足していきます。以下は説明の原稿です。

 国土地理院の5万分の1の地質図「見付」で確認すると、笠原小付近の地質は3つに分類されています。

地質図

 小笠山を形作っている「小笠層群」、三沢川の「段丘堆積層」、三輪から横須賀へと細長くのびる「砂丘砂」です。笠原小学校は段丘堆積層の上にあります。

 三沢川は、長さの割に流域面積が広く、大雨が降れば急に増水し、小笠山を削った土砂を運んできます。地質年代で言う第四紀(約260万年前~)に、地震やプレートの活動などで、三沢川の両岸が盛り上がって一段高くなったところを河岸段丘といいます。地質図の記号でtdの部分です。笠原郵便局のあたりと笠原小学校のあたりが一段高くなっているのが、県道を通ると分かると思います。

 河岸段丘は、三沢川や弁財天川によって削られ、砂が運ばれて川の東側に砂丘砂(記号はda)が砂嘴(さし)のように細長く積もっていきました。自然堤防とも呼ばれ、周囲よりも少し高いので、昔から集落が発達したところでもあります。

 小笠層群(記号はOg)は、比較的地盤がよいと言えます。笠原小学校は、段丘堆積層(td)にあって、平地に突き出ているため、北側と西側を洪水のたびに削られてきました。もともと地盤が固くないところを川で削られて急な崖ができてしまいました。それらが今の「土砂災害警戒区域」となっています。砂の中に丸石が混じる数メートル以上の厚さの地層があります。しっかりと固まっていないので、人の手でも簡単に崩すことができるほどです。

 最近の線状降水帯によるゲリラ豪雨などでは、崩れる危険が高いと判断されています。たとえ崩れなくても崖の樹木が倒れてくる危険もあります。

 そこで、静岡県、袋井市土木事務所では、注意喚起を行い、平成29年3月31日付けで区域図を作りました。被害想定もあります。

109-1-0076kuiki.pdf

 
109-1-0076kuiki.pdfの1ページ目のサムネイル 109-1-0076kuiki.pdfの2ページ目のサムネイル

 昨年度の連合自治会長さんとコミセン館長さんが、袋井市に働きかけてくださり、高所作業車を使って、崖から道路に張り出していた枝をずいぶん切ってくれました。

 それでも、子どもたちや保護者、教職員が日常的に通行する道路が安全になったわけではありません。せめて子どもたちの安全だけは優先的に確保しようと、通学路の変更を勧めました。

 大雨のときだけ、通学路を変更することも考えましたが、連絡が徹底しないこともあるし、雨のあと崩れたり木が倒れたりすることもあると思い、三沢と柏木のPTA役員に相談しました。

 通学路変更決定までの周知の期間が短かったせいもあり、不安に思われた地域の方もいらっしゃったと思います。改めて説明させていただきました。