未来のことはよくわからないから
2025年1月7日 10時34分 2025年になりました。あけましておめでとうございます。
みなさんは今、防災頭巾を持って体育館に来ていますね。防災頭巾っていつごろ始まったのか考えたことがありますか。私が小学校に入学したときには、防災頭巾はありませんでした。でも、小学校卒業のときには、防災頭巾を使っていました。
静岡県では、1975年ごろから、東海地震が来ると騒がれ始め、防災頭巾を使うようになったようです。地震の避難訓練が始まったのも同じころです。テレビでは「日本沈没」というドラマがあって、もうすぐ地震が来るのだと本気でこわがっていました。静岡県以外のところでは、大きな地震が何回も起きましたが、東海地震はまだ起きていません。今では東海地震という言葉も使われなくなりました。地震は必ず来るのでしょうが、いつどこで起きるのかを正確に予知するのは無理みたいです。
私が小学生のころに見ていたアニメや特撮などの子供番組では、50年後の未来は、人型のロボットがあって、地球は公害で汚染され、宇宙にどんどん進出しているような感じでした。子供向けの雑誌には、人口が増えすぎて、日本は資源も食料もなくなってしまうと書かれていました。逆に日本は子どもの数が減って大変になるという未来は想像できませんでした。
未来のことはよくわからない。何が本当なのかよくわからない時代になっていると思います。ネット上では、フェイクニュースという、嘘の情報があふれています。だからこそ、みんなには何が正しいのかを判断できる力を育てていかなくてはならないと思います。そのための頭の訓練になるのが、小学校で身に付ける学習だと思います。たくさん考えて、頭を鍛えてほしいのです。どんな未来になるとしても、自分で考え判断する力は必ず役に立ちます。
私は、小学生のころ、自分が校長になる未来など全く考えていませんでした。みなさんも、あと10年くらいで大人になります。何かの仕事をして社会の役に立っているか、この世界がよりよくなるように研究を続けているのかは分かりません。どんな未来になるとしても、自分を信じて生きていける強い子に育ってくれることを願っています。
強い子とは、「あきらめの悪い子」でもあります。「どうせ無理」ではなく、「やればできる」と粘り強く思える子なのです。
(3学期始業式 校長の話)