校長のあたまのなか

浅羽学園保健委員会 Withメディア 

2024年11月7日 16時33分
研修

 11月7日(木)浅羽中学校で保健委員会が開かれました。5つの小中学校から集まった保護者代表でグループを作り、活発な話し合いがおこなわれました。最後の指導講評の役を頼まれていたので、5分弱お話をしました。以下は、そのときの原稿です。

 昨年度まで磐田市で幼稚園・保育園・こども園関係の仕事をしていたので、園から呼ばれて保護者のみなさんに小学校とのつながりやメディアとの付き合い方について話をすることがありました。

 園の保護者に紹介したのが、シンガポールの小学1年生が書いた「ぼくはスマホになりたい」という作文です。小さいころから家にいても、父や母はスマホをさわってばかりいて、ぼくと遊んだり、話をしたりしてくれない。ぼくがスマホだったら、父や母はぼくの方を見てくれる。だからスマホになりたいという内容でした。

 スマホ育児というのがあって、3歳ころからスマホやタブレットで動画を見せておけばおとなしくしてくれて楽だということで、広がっているそうです。今の子たちは、小学校に上がる前からネットに親しんでいる場合があります。

 親も子もネットを見るのが習慣化してしまうと、時間を減らすことはかなり難しいです。

 自動車を運転すれば、交通事故を起こす危険が伴います。事故を起こしたくなければ車を運転しなければよいのですが、それは難しいことです。運転免許証は大人しかとれないので、子どもが交通事故を起こすことはありません。スマホは子どもでも使えますから、ネットトラブルに巻き込まれるリスクは大人と同じです。そうしたリスクを下げるには、スマホの使用時間を減らすしかありません。

 園の保護者には、お子さんと一緒に本を読むことを勧めていました。中学生であっても、親と同じ本を読んで、感想を伝え合うことで、ネットの使用を減らすことができます。

 私は、笠原小の職員から「成瀬は天下を取りに行く」という本屋大賞を受賞した本を借りて読みました。おもしろかったです。本の感想を伝え合うことで、コミュニケーションが盛り上がりました。ちなみに、主人公の成瀬あかりの独特なキャラクターを際立たせるため、スマホを持っていないという設定でした。

 11月11日から始まるメディアコントロールウイークを活用して、親子でメディアの利用時間を減らしてみてはいかがでしょうか。一緒に本を読んだり、ネット利用のリスクを話し合ったりする機会になればすばらしいですね。