校長のあたまのなか

園の保育者と小学校教員とのギャップ

2024年4月12日 13時33分
園と小学校との接続

 「環境」と「遊び」の認識が全く違うと感じます。

 園は「環境を通して行う教育・保育」なので、「環境」とは遊びの場の設定や準備そのものを指すことが多いです。

 小学校では、「環境教育」「自然環境」などの理科的な使われ方と掲示物や施設等を含め「教室環境」という言い方をします。

 園の保育者は、子どもたちがとことん遊びに没頭するような仕掛けを考えるのが得意です。遊びこめないときは、「環境」が悪かったのだと反省します。どうやって子どもたちを遊ばせようかと日夜考えているのです。

 小学校の教員にとって、遊びは子供たちへのご褒美のようなものです。がんばったときや学期末のお楽しみ会で遊ばせてくれます。ふだんの学習では、どうやって遊ばせないようにするかに気を遣います。余分なものは机上に出さないのも遊ばせないためです。

 遊べば遊ぶほどほめられていた園から小学校に入学した幼児は、戸惑います。「小学校でも遊んでもいいんだ」と知ることで、心理的安全性が高まります。

 「さんすうせっと」は、幼児にとって宝箱です。でも、小学校教員は、いかに遊ばせないようにするかに気を使い、必要なものだけを机上に出させ、指示があるまで触らせません。幼児が小学校で初めに身に付けるのは、待つこと、聞くこと、我慢することになりかねません。

 笠原小では、算数の学習が始まる前に、1年生に「かずのおけいこどうぐ」でとことん遊ぶように指示を出しました。そのかわり、時間が来たら自分で片づけをするという約束をしておきます。