校長のあたまのなか

グレーよりも虹色

2025年10月22日 10時09分
特別支援教育

 幼児教育に携わっていた3年間には、発達障がい(疑いを含む)の子たちの様子を見に行く機会(専門調査)が多くありました。小学1年生で、特別支援教育につなげるためです。

 小学校教員のくせで、「グレーゾーン」という用語を使ってしまうことが多かったのですが、同僚の園の主任から「虹色の子たち」という言葉を教わりました。星山麻木さんの本「虹色なこどもたち」を借りて読むと、子どもを見る目が変わった気がしました。

虹色

 多様な子どもたちの特性のタイプや傾向を虹色の7色で紹介してくれるので、覚えやすいのです。例えば、なんでも1 番 正義の味方「レッドくん」とか、繊細な きちんとさん「グリーンくん」などです。就学に向けてやっておきたい支援や小学校との連携についても触れられていて、とても参考になりました。

 小学校教員は、「困った子」に対してともすると、白か黒か、善か悪かで判断しがちです。「ちゃんと、きちんと、しっかりと」できない子は、グレーゾーンとして扱い、就学支援につなげようとします。

 星山さんの「虹色のこどもたち」は、それぞれの特性を生かしたうえで良さを発揮できるようになっていきます。

 笠原小の学校経営目標は、「『一人一人が輝く』学校づくり」です。「一人一人が輝く」には、それぞれの子の良さを発揮させることが大切です。できないことや苦手なことばかりを指摘するのでは、輝く前に光を消してしまいます。「グレーゾーン」という考え方には、注意が必要です。本校の教員には、プラス思考で「虹色のこども」として輝かせてほしいと願っています。

 教室の学習で不適応を起こしている子が、こども園との交流では、園児に好かれ、優しくしていました。その子の輝いている姿を見ることができて、とてもうれしかったです。

 これからの共生共育のためには、小学校教員の意識を変えることが望まれます。グレーよりも虹色で。