今年の修学旅行にもまだ行っていないのに、来年の修学旅行の計画を早々進めなくてはいけない大きな理由は、新幹線にある。新幹線の団体割引の予約は9か月前から受け付けており、遅れると希望通りの列車に乗れず、学校の出発が速くなったり、学校への到着が遅くなったりする弊害がある。旅行会社から急かされて書類を作成し、押印して提出しなくてはならない。ということは、新幹線を使わなければ、ゆったりと計画が立てられるということか。
修学旅行の費用が高くなってしまうのは、少子化だけが原因ではない。貸切バス運賃が大幅に上がってきているのだ。ドライバー不足や人件費の高騰、燃料価格の上昇によって、貸切バスの費用は従来の2割以上高くなってしまう。そもそも、バスの確保も難しくなっている。笠原小から掛川駅だけバスを利用するとか、東京で一部区間だけバスを利用すると、かなり割高になる。
新幹線とバスの併用だと、計画も早めに立てなくてはならず、しかも割高である。往復貸切バス利用の方が安いくらいだ。また、都内では山手線や地下鉄などの公共交通機関を使うのも手である。割安になるし、社会経験にもなる。
以下独白。昨年度、久しぶりに修学旅行で児童の引率をして、驚いたことがある。遊びと買い物の比率がすごく高くなっていたのだ。
私が最後に6年生を担任したのは、平成20年(2008年)だから、17年前になる。磐田市立東部小学校では、タグラグビーが盛んで、ブラジル人児童が多かった。修学旅行での「学び」として、秩父宮ラグビー場(日本ラグビー協会)やブラジル大使館、最高裁判所など、普段行けないところをコースに入れたのを覚えている。宿泊場所は、東京大学の近くの老舗の和風旅館「鳳明館」に(わざと)した。下町から超高層ビル街まで、こどもたちが東京を堪能できるコースを工夫したのである。当時は、東京ディズニーランドに行く小学校が減ってきていて、そのときも東京ドームシティアトラクションズだった。キャリア教育が始まり、キッザニアが修学旅行の定番になった時期もあった。
教員は仕事として、修学旅行で児童の引率をするのに、ディズニーランドの入場料は、自腹である。博物館や美術館などでは、引率教員は、入場無料のこともあるが、ディズニーランドはそうではない。確か、東京ドームシティアトラクションズは、入場だけなら教員は無料だった気がする。