研修
人間ドックのため、朝から病院に向かった。待ち時間用にと、自室の本棚から目についた赤い表紙の本を持って行った。「進化とは何か ドーキンス博士の特別講義」(早川書房 2014 吉成真由美 編・訳)である。
大学生のときに「利己的な遺伝子」という著書に衝撃を受けた私は、ドーキンス博士の本が出るたびに購入して、読み進めてきた。「進化とは何か」は、子どもたちを相手に行われた5回分の授業を書籍したものである。
冒頭の一節「宇宙で目を覚ます」から、深く考えさせられ、手が止まった。
まず最初に、両手を頭に持っていって、そっと自分の頭を触ってみてください。これはあなたにとっては実にたやすいことですが、こんなことができる機械を作ろうと思ったら、物理的にも金銭的にもそう簡単にできるものではないんですね。
腕を上げていくと、あなたの腕の筋肉が今どこに位置しているかを正確につかむメカニズムが、筋肉内部に備わっている。また、指先にある幾千ものセンサーが、あなたの髪の毛の質感や、耳の形、頭蓋骨の形をハッキリと感じ取る。あなたの脳が、自分の頭蓋骨の幅を精確に測っているのです。もし、こういうことができる人工的なロボットの腕を作ろうと思ったら、100億円を超す費用がかかってしまうでしょう。
このレクチャーが行われたのが1991年なので、34年たった現在では、100億円はかからないかもしれない。しかし、そう簡単に作れないことだけは、当時から変わっていない。
コンピュータの脳に当たる中央演算装置(CPU)の性能は格段に進歩したのに、幼児でも当たり前にできるような動作をロボットにさせることは、2025年になっても難しいのだ。体の動きを制御して調整しながら動かす「感覚統合」は、それほど高度なことなのに、人間という生き物は、目を閉じた幼児でも可能にしてしまう。
私が小学生のころに手塚治虫原作のアニメ「ジェッターマルス」が放映されていた。鉄腕アトムをかわいくリメイクしたような話だった。好きなアニメだったので主題歌はまだ歌える。「♬ひかり まぶしい にっぽんに 1つの いのちが はばたいた そのなは マルス ジェッターマルス ときは2015ねん」ジェッターマルス 第1話
2000年に、ホンダのロボット「ASIMO(アシモ)」が登場したときには、15年後のマルスに間に合うかと期待したものだ。
https://www.honda.co.jp/ASIMO/history//asimo/index.html
しかし、2025国際ロボット展でも、マルスのような人型ロボットは出てこない。https://irex.nikkan.co.jp/
子どものころ胸躍らせた戦闘用の人型ロボットの出現は、私が生きているうちには間に合いそうにない。
AIが進歩しても、体の細部の動きまで制御できるロボットを作るのは困難を極める。ただ歩いたり、プログラミングされた動きをしたりするロボットで精いっぱいの技術レベルである。ドーキンス博士の次の言葉にうなずくばかりである。
どんなに驚くべきテクノロジーでも、生命の素晴らしさの前では色あせてしまいます。
生命というメカニズムは素晴らしいのだが、個体レベルで台無しにしてしまう場合がある。人間ドックの結果、医師からは、中性脂肪、血糖値の高さ等々を指摘され、脂肪肝、前立腺肥大、γ-GTP(ガンマGTP)数値上昇から節酒を勧められた。ロボットは生活習慣病にはならないだろうから、その点はうらやましい。
地域との連携
校長として本校に赴任してから、地区の会合などで、土砂災害警戒区域の危険性を訴え、通学路の変更をお願いしてきた。その中で笠原歴史研究会の藤原辰夫さんから、講演の依頼があった。
少しでも笠原のお役に立てるならと思い、引き受けた。夏休みに現地調査をしたり、参考文献を読み直したりして準備を進めた。
スライド資料ができあがってきたので、10月31日には、未来に起こりうる自然災害の軽減につながる「考える材料」を提供できればと思っている。現時点で考えている講演内容は、「笠原の地形と自然災害」である。ポイントとなるスライドをいくつか事前公開する。中学3年生の地理・地学レベルくらいの内容になるように、専門用語を少しでも減らす推敲を重ねているところである。




笠原歴史研究会.pdf

講演会のチラシ(案)も藤原さんが作成してくれました。要望に沿うような話を盛り込みたいと思います。このあと笠原地区で回覧するそうです。ありがとうございます。
20250919_130431.PDF

防災
9月5日の台風通過のとき、三沢川にかかる栄橋のあたりで、水がたまってしまって自動車の通行に支障があったそうです。学校運営協議会のときに、委員の方から聞きました。貴重な情報ありがとうございます。
さっそく、栄橋から野球グラウンドまでを確認に行きました。河床が高く、堤防が低いので、川があふれる危険があることがわかりました。大雨のときには、現地確認をしたうえで、集団下校なのか保護者引き渡しなのかを判断していきます。




栄橋付近
地域との連携
9月19日(金)の午後に学校運営協議会が行われました。5校時の授業を参観していただいたあと、学校からは、全国学力学習状況調査の結果と分析、学校評価の中間報告をしました。委員の方々からは、学校に対する質問や要望が寄せられました。

【出された質問など】
Q1 児童用トイレにサンダルを置くことをやめているが、いつからか? どのような考えで対応しているか?
A1 昨年度のトイレ改修工事後、床の材質がタイルからシート張りなった。以前のように床が濡れているわけではないので、スリッパは取りやめた。ただ、スリッパを使いたい子のために1つは用意されている。
Q2 学校の安全について、不審者対応用の「さすまた」はどこに置かれているか? 不審者対応の監視カメラの新設は難しいと聞いたが、センサーライトの設置状況は?
A2 さすまたは職員室と校舎2階の空き教室に置かれている。品川の事件を受けて危機対応マニュアルを見直した。センサーライトは昨年度の事件のあと、東門に設置されている。
Q3 給茶機が使用できないと聞いているがどういうことか?
A3 水道管取り換え工事中であり、業者から「新しい水道管はしばらくは油のにおいが気になる」と聞いたので使用を控えている。水が飲めないわけでも給茶機が使えないわけでもない。水筒のお茶がなくなった子のために、職員室の冷蔵庫にペットボトルのお茶を用意し、必要に応じて配っている。
Q4 全国学調の結果分析は、その時の6年生の結果に一喜一憂するのではなく、同一学年の推移をみるべきではないか? 10年前からの笠原小の反省を積み重ね、指導の蓄積を図るとよい。
A4 確かにその年の6年生の実態によって、結果が上下することがある。本校の児童は算数が苦手という傾向がある。個の結果を把握し、教師間で共有することで、継続的な指導につなげていく。
【意見・要望等】
・児童昇降口前に以前のように図書室の本を並べてほしい。早く登校した子が待つ時間に本に親しむ環境をつくってほしい。(本校は、午前7時50分までは、児童は階段下で待機する。)
・6年生のキャリア教育では、子どもの思いを生かした学びが行われた。地域学校協働推進員として、地元の方とのパイプ役になり、テーマごとに6人を紹介した。2学期は、児童が3か所に出向き、さらに学びを深める予定である。
・不登校の子がゼロになり、2学期はすでに2回も全員出席の日が達成できているのがすばらしい。学校には信頼できる先生がいるという評価項目の保護者の数値が上がるとよい。
・1学期よりも挨拶ができていると感じる。
・1年生がすでに下校していて参観できなかった。全学年参観できるように配慮してほしい。どの教室で何が行われているかも分かりやすく伝えてほしい。
・2年生の教室だけが暑かった。エアコンの使用は?
・6年生は算数のテストをやっていた。開始15分で終わってしまい、時間を持て余す子がいた。算数の指導の難しさを感じる。
・子どもの数が減っているが、少人数指導だからといって良いことばかりではない。かえってやりにくいこともある。
・(できていないところに着目するのではなく)笠原小のいいところを生かすような学校評価にしてほしい。「楽しい学校」が実現できることを願っている。
教頭からは、12月5日に行われる、浅羽学園統一の下校途中避難訓練について、説明がありました。次の自治会長会に出席し、協力をお願いする予定です。
環境教育
昨日の放課後、磐田市立城山中学校の平野元英先生からお電話をいただきました。竜洋東小学校のビオトープ「袖浦杜」をつくったころの様子を聞きたいとのことでした。今度、子どもたちの前で話をするそうです。
平野先生は、竜洋東小の学区に在住で、ビオトープ管理士の資格を取得し、20年以上も学校ビオトープを守ってくださっています。本当に頭が下がる思いです。
平成9年に学級の子どもたちと勢いに任せてつくってしまったビオトープが、その後も荒れることなく残っているのは、地域で支えてくれる方がいるからだと実感します。
当時の資料を探したら、見つかったので、平野先生に添付ファイルでメールで送りました。あのころ、休み時間や放課後、休日に学校に来て夢中でビオトープをつくった子たちが、今、39歳。地元に残っていれば、お子さんが母校に通っているのではと、想像します。あの「袖浦杜」は、お父さんたちがつくったんだよって、話をしていたらすてきだなと妄想してしまいます。
笠原小のビオトープも学校に隣接した森も、人手が入り続けることで荒れることなく子どもたちの学びの場として生かすことができると思います。笠原の自然に関心をもち、学校ビオトープを守り続ける平野先生のような方が出てくることを期待しています。
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環境教育
コミュニティセンターの体育館に向かう途中、正門の上空に約50匹のウスバキトンボの群れがいました。学校のプールやビオトープで羽化した二世です。これから北上を始めるところです。
今はサマータイムで児童の下校が早く、熱中症指数が高くて屋外での運動や遊びをとめています。そのため、ウスバキトンボのマーキング調査も中断しています。
来週から少しすずしくなれば、6年生に声を掛けて、トンボとりを始めようと思います。


たくさん飛んでるのに写らないのは写真の腕の問題です。たぶん。
「写真には写らない美しさがあるから♬」
地域との連携
山口県光市立大和小学校は、4つの小学校が統合して令和7年に新設された小学校です。こういうタイミングで太鼓の伝統も途切れてしまうと思いきや、「石城太鼓」と「束荷神舞」の2つを上手に継続できています。音楽科の学習の一環として太鼓を取り入れ、「石城太鼓クラブ」で練習をしているようです。石城太鼓保存会等の協力など、地域との連携の取り方が参考になります。
大和小 地域との連携
大和小学校は、8学級で全校児童191名(令和7年5月)ですから、本校よりも少し大きい小学校です。学校のホームページでも、伝統芸能継承の取組が紹介されています。
大和小 伝統芸能継承の取組
記者発表資料.pdf

伝統文化発表会
地域との連携
山形県天童市立津山小学校は「湯の上太鼓(ゆのかみだいこ)」を学校の教育活動に取り入れています。以下は学校ホームページへのリンクです。津山小学校
8学級で全校児童91名(令和7年4月)ですから、笠原小より、少しだけ小さい小学校です。地域の支援を受けながら、高学年児童全員で取り組めば、継続が可能な事例だと思います。
湯の上太鼓は、地区に伝わる「上貫津村雲龍神太鼓」の流れをくむもので、昭和61年から続いている津山小学校の特色ある教育活動である。
現在は、5・6年生全員が参加し、6月から放課後中心に練習を重ねている。子供たちは、「かっこよく見せる・美しく聞かせる・心が姿にあらわれる」を合い言葉に、心を合わせ、より研ぎ澄まされた太鼓の演奏をめざしている。
毎年7月上旬に開かれる「天童紅花まつり」開園式では、そろいの法被とねじり鉢巻を身につけ息を合わせて、3曲演奏している。保護者や地域住民、参加者に大変喜ばれている。
1~2月には6年生から4年生への引き継ぎ練習会を行っており、伝統を引き継ごう、「湯の上太鼓」を大切にしようという思いも生まれている。まさに津山地区のよさを自覚し、自分たちの住む津山地区を愛することにつながる大事な教育活動である。(ポータルサイトふるさとやまがた発見ナビ より引用)
https://kyodoai-yamagata.jp/yunokamidaiko/