校長のあたまのなか

小学校開校の日に思う

2024年5月21日 12時33分
その他

 5月21日は「小学校開校の日」。

 1869年5月21日、京都市に日本最初の近代小学校が開校したことに由来するとのことです。明治政府が学制を発布するよりも早く、地域の力で学校を建てたことがすごいです。

 司馬遼太郎の何かのエッセイで読んだ記憶があるのですが、当時は子どもは貴重な労働力で、上流階級以外の子は今でいうヤングケアラーでした。親も無理に学校に行かせる必要はないと考えていたようです。だからこそ、小学校の校舎をことさらに立派にして子どもを集めたそうです。

 本校も明治6年に開校したときには、宗有寺と永徳寺の境内に置かれていましたが、明治9年には校舎を新築しています。おそらく、村々が競うようにして新しい教育の象徴である新校舎を建てていったのでしょう。「坂の上の雲」をつかむような上り調子の勢いで、日本の初等教育が始まったのだろうと想像します。

 日本の初代文部大臣の森有礼(もりありのり)は、わずか38歳で就任し、わが国の教育諸制度を定めました。明治22年2月11日の大日本帝国憲法発布式典の日に暗殺され、43歳で亡くなりました。日本の近代教育は激動の幕開けだったと思うのです。

アラハサーク(Arahasak)村の人たち

2024年5月20日 08時42分
その他

 町から少しはなれた海と山の間にあるアラハサーク(Arahasak)村には、ちょうど100人の人が住んでいます。65才以上のお年よりが37人、15才以下の子どもたちが13人います。そのうち5人が小学生です。

 村の人たちが集まって、お年よりと子どもたちのことを話し合いました。

「お年よりが増えてきて、お世話をするのにお金も人手もたりていません。今までと同じようにはお世話するのがむずかしくなってきました。37人のお年よりのうち半分以上が一人ぐらしです。」

「子どもがへってきて、小学校の先生も手がたりていません。PTAだけでなく、村の人の力もお借りしたいです。」

 アラハサーク(Arahasak)とは、笠原地区のことです。Arahasakは、Kasaharaのスペルを逆にしたものです。笠原地区の高齢化率37.1%は、袋井市平均の25.5%を大きく上回り、市内の地区別で2番目に高いです。約2400人の住民のうち、約900人が、高齢者になります。いっぽう子どもの数は減り続け、現在は13.1%です。近い将来には、高齢化率は4割を超え、子どもは1割以下になるでしょう。

 18日の土曜日に笠原地区の会合に出て、青少年と高齢者についての実態を知り、考えさせられました。笠原地区を住民100人の村に見立てて、高齢者と子供の割合を分かりやすくしてみました。

校長の品格

2024年5月17日 11時25分
その他

 本校1階には、古い本がいっぱい置いてある「ことう教室」があります。4月の初めに「校長の品格」(豊田ひさき 著 黎明書房)を見つけ、しばらく借りています。表紙には付せんが貼ってあり、「よかったら読んでみてください。笠原小をよろしくお願いします。」と書かれています。

 誰に頂いたのかはわかりませんが、校長室の本棚になかったことから、歴代校長の誰かが残したものではなさそうです。

 放課後、時間が空いた時に少しずつ読み進めています。第2章は「地域に入る」です。

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PTA奉仕作業が終わって

2024年5月16日 15時47分
その他

 5月11日(土)の午前のPTA奉仕作業へのご協力ありがとうございました。参加してくれた6年生のみなさんもありがとう。

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ゴーレム効果に注意

2024年5月16日 14時34分
研修

 「ゴーレム効果」って聞いたことがありますか?

 子どもに対しての教師の期待値が低いと、その子の成果が上がらなくなることを指します。ピグマリオン効果の逆の現象になります。

 私たち教員は、各教科の観点別評価や評定には敏感なのですが、行動の表れの10の評価項目の基準については、あいまいなところがあります。つまり、いくつ〇が付けば行動の表れとして合格なのか、どうすれば〇がたくさん付くようになるのかという点には、それほどこだわらず、総括的評価としてその子をみて顕著な表れがあれば〇を付けているのです。(本校では、どの子にも1つ以上〇を付けるという大まかな共通理解は存在します。)

 通知表(通信票)を、指導要録作成に向けた「評価のための評価」ではなく、「子どもの成長のための評価」のツールとして使ってほしいと願っています。そのために「行動の記録」の評価を大切にしてください。例えばAさんは元気だけが取り柄で「健康・体力の向上」しか〇が付かないと教師が思ってしまうことで、「ゴーレム効果」が働いてしまいます。伸びしろや期待値を込めて、去年よりも〇が多く付けば、子どもはより良い方向に育っていくかもしれないのです。そうすれば、浅羽学園で目指す、自己有用感や自己肯定感も伸びてくるはずです。少しぐらい甘くなっても、子どもたちのできていることに目を向けてあげてください。

(5月15日 校内の通信票・要録評価委員会での校長の話)

笠原太鼓

2024年5月16日 14時13分
その他

 本校では伝統文化の継承として、和太鼓活動を行ってきました。現在は、学校の教育活動から切り離して、水曜日に放課後子ども教室の中で活動を続けています。昨日、運営を行ってくださっているスタッフの会議がありました。校舎内には、地元の方が描いてくださった絵も飾ってあります。

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100年前の笠原尋常高等小学校で

2024年5月14日 16時44分
防災

 本校の沿革誌をみると、どんなことが起きていたのかが分かります。百年前は、大正13年。皇太子(のちの昭和天皇)ご成婚、元総理大臣の松方正義追悼の行事等があり、近現代史を生で感じられます。

 101年前の9月1日には、関東大震災が起きていたことから、注意喚起のためのビラを配っていたことが分かります。ただ、避難訓練や防災訓練をやっていた記録はありませんでした。

 「天災は忘れたころにやってくる」の言い伝えを忘れず、大地震に備えなければと思います。本校職員は、毎月、自分用の非常食を確保し、まとめて保存しています。

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学校の財産

2024年5月13日 09時24分
その他

 学校の財産は、人である。私は、「人材」という言葉に違和感を感じる。何か、人を材料や部品のように扱っているように思えてしまうからである。事務職員、校務員、支援員をはじめ、教員もみな、学校という組織の財産である。財産としての人なのだから、「人財」という漢字の方がしっくりくる。

 校長は、それぞれにがんばっている教職員の個々の価値を上げるのが仕事なのだと思う。仕事にやりがいをもてるように動機づけを行い、成長の過程を見守り、支えていくようにしなければと思う。

 無求備於一人(備わるを一人に求めることなかれ)

 論語の微子編に、「(上に立つものは)人にあれもこれも求めてはならない」という一節がある。人間には長所も短所もあり、完全無欠ではないのだから、寛容さを発揮し、よさを伸ばすことで職員のキャリアアップの手伝いをしていきたい。校長になって1か月半たって、身に染みて思う。