園と小学校との接続
今晩、午後6時30分からPTAの会合がある。それまで時間があるので、かねてから危惧していることを書いてみる。
子育て支援政策の一環として、高等学校よりも早く、保育料の無償化が実施された。その結果、どんなことが起きたのか。磐田市の幼稚園保育園課に勤務していた3年間で見聞きしたことを、支障がない範囲で伝えたい。今後、公立高校にも園と同じことが起きるような予感がするからだ。
磐田市では令和5年度に、私立園に在籍する園児数が、公立園に在籍する人数を上回った。親は、施設が新しくきれいな私立園を選ぶ傾向が強まった。小学校に隣接する幼稚園は小規模化が進行し、入園式が4人で行われることがあった。全園児数が20名以下の公立幼稚園が出始めたのである。
築70年近い古い園舎は建て替えられず、幼保再編計画のもとに統合されたり、私立園化したりした。過去10年間で公立園が10園以上なくなったのである。
公立の幼稚園・保育園・こども園は、子どもの主体性を大切にした質の高い保育が行われていることが多かった。私立園では、園独自の方針のもと、昔ながらの一斉保育が行われていることがあった。公立園の教育・保育レベルが高くても、発信力が弱いせいか、親の目に私立園の方が、魅力的に映ってしまうようだった。率直に言えば、公立園の人気が落ちたのである。
さて、高等学校の話である。施設がよく整備され、部活動の実績もあり、授業のサポートや大学への推薦制度が手厚い私立高校は、保護者にも生徒にもアピール効果が高いだろう。学費が高いからと敬遠していた家庭が、無償化ならばと、私立高校を選ぶのではないか。
県立・公立高等学校の定員割れ、学力レベルの低下が起きかねない。甲子園の野球を見ても、出場校は私立高校ばかりである。部活動で活躍したい子も、私立に流れるのではないか。結果として、県立高校の再編や統合が加速すると予測する。園で起きたのと同じことが今度は高等学校で起きると思う。
弊害としては、教育格差が広がることが揚げられる。園のときもそうだったが、私立に対しては、行政は補助金は出すが、教育委員会等によるコントロールは難しくなる。県や市としての教育の方針を示しても、私立は、教育課程や授業時数や学習内容まで独自色を強めるだろう。
保育費や学費に差がなくなれば、公立がスタンダードではなくなり、幼児の段階から私立志向が強まると思う。そんな未来が10年後には来そうな気がする。
働き方改革
9月分の自校集計では、常勤19名の超過勤務時間(残業)の平均は、18時間13分だった。7月は19時間30分だったので、1時間17分の減である。1年前の令和6年9月の超過勤務時間が、20時間28分なので、昨年度よりも短くできている。
今月、45時間超は1名、教頭と教務主任の超過勤務時間はそれぞれ、47時間49分と29時間00分だった。学級担任で最も超過勤務時間が長かったのは、32時間28分だった。
サマータイムで児童が早めに下校し、放課後の時間が大目に取れたことで、学級事務や校務分掌を勤務時間内に行うことができたことが要因である。
防災
傾斜度が30度未満であっても、笠原地区の河岸段丘層に生えている樹木は、倒れてくることがあり、注意が必要です。昨年度、学校に隣接した森を整備していたときに、変な向きに生えている木を何本か見つけました。


礫を含んだ砂や泥の層はしっかりと固まっておらず、大雨のときに土の部分だけ流れ出てしまいます。すると、地層の中の礫が崩れて、樹木の根ごと滑って木が傾くのだと想像できます。学校に隣接した森の傾斜は、30度未満の場所があります。傾斜が緩くても、樹木が傾くのです。
笠原コミュニティーセンター南側の急傾斜地は、土砂災害計画区域に指定されています。館長さんが一人で、樹木の剪定や伐採を行ってくれています。昨日の夕方に話をうかがったときには、「木の根元の土が流れて、石ばっかりになっている。崩れると危ないので木の頭を軽くするように伐ろうと思っている。中には水平に近い角度で枝や幹が伸びてるところもある。」とのことでした。
確かに、館長さんが伐採しようとする木の下の斜面には、小石が流れて積もっています。


倒木による被害を減らすために、定期的な樹木の剪定が効果的です。しかし、高所作業車による伐採や剪定は高額なため、思うように進まないのが実情です。
伐採したあとも、すぐに自然に生えてくるアカメガシワやセンダンなどの陽樹を大きくしないように管理する必要があります。

磐田市の幼稚園保育園課勤務だった3年間には、磐田原台地の崖が崩れる被害が発生しました。豊岡地区にあるこども園の園庭の一部にも土砂が流れ込みました。土砂災害警戒区域でなくても、崩れることがあるのです。今は、日本中どこであっても豪雨による土砂災害や洪水が起きかねません。もともと可能性が高い笠原地区では、教職員や児童生徒だけでなく、地域住民の危機意識を高めていくことが、安心・安全の確保につながると思うのです。
当時のニュース映像の動画のリンクをはっておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=omhOZjg4DnU
環境教育
校舎南側にモミジバフウの並木があります。秋になって、イガイガの実をつけてきました。

授業
袋井市では、記述式問題の無答率を下げることを目標に各校の取組を求めています。本校では、少人数の良さを生かして、個に応じたきめ細やかな指導を行ってきました。
国語の学習のまとめやふりかえりでは、低学年でもノート1ページ以上ぎっしりと自分の考えを書く子が増えてきました。
全国学調の記述式問題の無答率を見ると、国語と理科は、袋井市全体の無答率よりもすべて低いです。しかし、算数は市の無答率よりも高い問題が2問あります。
そこで、算数において正答率の向上につなげ、学ぶ楽しさを実感できるような授業にシフトしていくようにします。個々の理解度やつまずきに対応した算数指導を行っていきます。算数で学んだことが生活の中で生かされるような「パフォーマンス課題」に取り組ませることを、研修主任に提案していこうと思います。
R7 記述式問題の無答率 (単位%)
|
問題
|
国
2三
|
国
3三(2)
|
算
1(2)
|
算
2(4)
|
算
3(2)
|
算
4(2)
|
理
1(2)
|
理
3(4)
|
|
袋井市
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8.1
|
20.8
|
1.8
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5.5
|
20.6
|
8.1
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11.4
|
16.8
|
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笠原小
|
4.5
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18.2
|
0.0
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13.6
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18.2
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9.1
|
4.5
|
9.1
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その他
熱中症指数を気にせず、体力テストを行うことができています。子どもたちは、水分補給や休憩を入れながら、自分の記録向上を目指して、体力テストに取り組んでいます。けが等で見学の子がいますが、ほとんどの子が今日で、測定を終えます。人数が少なく待ち時間が短いのが、本校のよいところです。今日の欠席は1名のみです。

環境教育
校庭のオシロイバナが、朝でも花を咲かせています。オシロイバナは、英語で「Four o'clock」ともよばれます。午後4時ころから花を咲かせるからです。夏の間は夕方から花が咲き、朝にはしぼんでいましたが、すずしくなってきたので、朝でも花が見られます。10月に入ったのにアサガオの花の横でオシロイバナも咲いていてふしぎな感じがします。

