外来種でもない 在来種でもない
2025年4月15日 11時23分校地の巡視を兼ねて、自然観察を行っている。タンポポがあちこちで花を咲かせているが、観察して驚いたことがある。外来種のセイヨウタンポポでもなく、在来種のトウカイタンポポやヒロハタンポポでもない、別のタンポポが圧倒的に多かったのだ。
花の裏をめくると、台座の部分が反り返っているのが、外来種のセイヨウタンポポである。花も茎もやや大振りである。在来種の日本のタンポポは花が小さめで茎もきゃしゃである。下の画像が在来種のタンポポ。
花の下をめくると、台座の部分が下に反り返っていない。
セイヨウタンポポは、花が大きめ。
花の下を見ると、台座の部分が下に反り返る。
笠原小に圧倒的に多いのは、在来種の花のように小さめなのだが、花の下の台座は反り返っている雑種である。
セイヨウタンポポは単為生殖ができ、在来種のタンポポよりも強いと言われていた。市街地などで分布を広げ、外来種が在来種のタンポポを追いやってしまうと予想されていた。実際は、外来種と在来種がくっついて、雑種をつくり、分布を広げていたのである。
30年ほど前、私が磐田郡竜洋町(旧磐田市)でタンポポの分布を調査したころには、「タンポポ戦争」と呼ばれ、セイヨウタンポポが優勢だった。わずかに残った在来種のシロバナタンポポは、やがて見られなくなりそうだった。
今、笠原では、在来種の特徴を残しながらも外来種の強さを取り入れたハーフ(雑種)が増え、外来種や在来種とも共存している。これって、すばらしいことだと思う。
ここからは、校長の推理。笠原小になぜこれほど雑種のタンポポが多いのか。私は校務員の山下さんの草刈りに秘密があると考えている。本校の校務員は働きもので、頻繁に草を刈ってくれている。そのため、セイヨウタンポポの旺盛な繁殖力が抑えられ、バランスが取れているのではないか。