校長のあたまのなか

将棋の名人戦で「考える」

2025年4月10日 14時43分
研修

 以下は、第1回校内研修での校長の話です。

 子どもたちに「考える力」をつけるにはどうすればよいでしょうか、本校の校内研修では、「学びを楽しむ」ことがキーワードになります。市の施策で言えば、リアルな体験、ホンモノとの出会い、協働し創り上げる経験が「令和の鼓濤教育」になるのです。笠原の人、物、ことを題材に探究学習していくことで、「心ゆたかな人づくり」につなげていきましょう。

 子どもたちにいかに学ばせるかのヒントとして、将棋が参考になると思います。将棋指しは、考えるプロです。今日は、将棋の名人戦第局の2日目が行われています。若き藤井聡太名人に永瀬拓矢九段が挑んでいます。将棋の名人戦の一人の持ち時間は9時間で、2日かけて一局の将棋が指されます。

 名人戦の将棋では、すばらしい手を指して一気に勝負が決まることよりも、相手に手を渡したり、相手に時間を使わせたりすることが有効なことがあります。きのうの夕方の藤井名人は、端に歩を打ちました。この手に対して、永瀬九段は2時間も考えて封じ手としました。

 私たち教師も、すばらしい発問や自分が思うような授業展開で子どもたちの考える力を伸ばそうとするのではなく、ときには子どもに委ねて任せ、自ら考える力を育ててください。正解だけがよい答えではありません。たとえ間違った答えでも試行錯誤したことに価値があります。

正解にたどり着く手順や知識を教師が教えすぎて、子どもたちの考える力と考える時間を奪わないようにしてください。 

 子どもたちが思わず考えたくなるような題材やテーマを見つけてほしいと思います。そういった「探究の種」になるものを、私も学校ホームページで紹介していきます。私は、校長室だよりを出さないので、ときどき、ホームページの「校長のあたまのなか」を見てください。