高校の生物学の教科書が書き換わるような発見である。160年ぶりに植物の細胞の新たな仕組みが解明されたのである。名古屋大学の笠原竜四郎特任准教授(植物生殖学)らのチームが発見したので、「笠原ゲートウエイ」と名付けられ、発表された。あまりにもすごい発見なので、人の名前が付けられたのだ。それが、「笠原」なのだから、ちょっとうれしい。
大学や研究所で行われている基礎研究の多くは、すぐに実社会で役に立つものばかりではない。むしろ地味で先の見えない迷路を進むようなものだと思う。試行錯誤を繰り返し、先人のたどった道を探りながら、新しい出口を見つけていく。しかし、出口だと思った先に新たな迷路がある。科学研究とはそういうもので、広い砂浜に落ちたコインを探すような根気のいる作業に耐えられる者が、研究者となる。日本の理科教育は、そういう人材を育てていく必要があると感じる。笠原小から、「笠原ゲートウエイ」の研究をさらに深める研究者が出たらすばらしい。我こそはと思う子は、名古屋大学を目指してみてはどうだろう。
以下は名古屋大学のページのリンク
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2025/04/post-803.html