校長のあたまのなか

漢字の指導について考える その2

2024年11月18日 16時32分
授業

【その1】漢字の覚え方に言いながら書くというのがある。書き順もいっしょに覚えられる利点がある。例えば、

 「たて よこ たて よこよこ よこまげはねる てん4つ」

 2年生で習う書き順を間違えやすい動物の漢字だがお分かりになるだろうか。ヒヒーントは不要だろう。

 手だけでなく、口も動かし、耳で聞くので、脳の機能を総動員して漢字を覚える分、記憶に残りやすいのではないか。

 同じく、2年生で習う漢字をもう一問。

「たて よこまげはねる ひと ひと」

 食べ物をあらわす字である。部首になると月(にくづき)に変化。

【その2】漢字の覚え方に、グループで覚えるやり方がある。同じ部首をもつ漢字をセットで覚えてしまうので効率がよい。

 「月(にくづき)」を部首にもつ漢字は、体の部分に関係がある。少なくとも漢字の一部分のパーツは予想がつくのである。

 胃 肩 脈 肺 胸 脚 脳 腹 腸 腰 

【その3】漢字の画数が増え、複雑になってくると、【その1】のような覚え方は、まどろっこしい。合体漢字が使える。例えば、「親」は、立+木+見の合体である。漢字全体の形を覚えようとするのではなく、すでに覚えた漢字を組み合わせるように覚えるほうが効率がよい。

 「학교」というハングルを一目見て、正確に書き写すことは、韓国語に親しんでいないと難しい。ハングルの仕組みが分かっていれば、書くのがずっと楽になる。ちなみに読みはハッキョで、意味は学校である。참이슬 と 김치 も見慣れれれば分かるようになる。(私が書けるハングルはこれら3つだけなので、自慢できるレベルにない。)

 十画を超えるような複雑な漢字を、ゼロベースで再現して書き写すのはかなり高度な技である。だから外国人は漢字で苦労する。部分に分けて再現して、組み合わせる合体漢字は、漢字を覚える際にかなり有効である。