校長のあたまのなか

「校訓」の位置付け

2025年12月18日 16時22分
その他

 袋井市は、中学校区ごとに施設分離型の一貫教育を行う。本校は浅羽学園に属する。先日、学園長から令和8年度の学園教育目標が示された。変更はなく

「こころざしをもち、共によりよく生き抜くたくましい子」の育成

である。これを受けて、笠原小学校の重点目標を定める。同じく変更なく「学び合い 認め合い 挑戦する笠原っ子」である。

 では、学校経営構想やグランドデザインの中で、校訓をどのように位置付けたらよいのであろうか。いろいろと調べてみると、「校訓等を活かした学校づくり推進会議」が示した「校訓を活かした学校づくりの在り方について(報告書)」(H21.8)が参考になった。

 学校教育目標と校訓との関係性を明確にし、体系的に目標を整理することで、学校教育活動の核として、校訓を 「教育目標の後ろ盾」としている場合もあり、学校づくりの在り方として、一つの重要な方向性を示すものとして期待される。(報告書1(1)より引用)

 本校で言えば、重点目標の「学び合い 認め合い 挑戦する笠原っ子」の後ろ盾が校訓の「強い子 明るい子 考える子」になるように結び付ければよいと考えた。

 学び合う → 考える子

 認め合う → 明るい子

 挑戦する → 強い子

 報告書の中から、本校のように開校百周年に合わせ、校訓を変えた例があるかと探してみた。浜松市立光明小学校が該当した。

 校訓「試す人になろう」は、平成12年度から学校教育目標としていたものを、光明小学校にとって今後とも永遠に残す言葉と考え平成20年度2学期から校訓とした。(報告書89ページより)

 「試す人になれ」とは、光明小卒業生である本田宗一郎氏より贈られた言葉だそうである。

 「試す人」とは自ら課題をもち、進んで調べ解決する人であり、失敗を恐れず、夢に向かって挑戦する人である。世の中に必要のない人間はいない。何事も一人では成し遂 げられない。だから、他の人を大切にし、自分をあきらめられない人に成長してほしい。(報告書より)

 何と素敵な校訓だろう。光明小学校のホームページを見ると、校訓の石碑があり、文字が刻まれている。文字を書いた石井真由さんは、当時の5,6年生から募集して選ばれた子だそうだ。石碑の下にはタイムカプセルが埋められたという。

https://www.city.hamamatsu-szo.ed.jp/koumyou-e/

 光明小学校のグランドデザインを見ると、教育目標よりも上に校訓が位置付けられている。

光明小学校グランドデザイン.pdf
光明小学校グランドデザイン.pdfの1ページ目のサムネイル

 なるほど、よく考えられている。「にこにこ わくわく ぐんぐん」は、子どもにも分かりやすい。

 来年度の笠原小学校のグランドデザインも変更しようと思う。まず、教育用語を排し、地域の方に分かりやすいグランドデザインにしていく。「令和の鼓濤教育」として笠原を題材に探究学習を進めていけるように、地域とともにある学校を具現化したグランドデザインを示そうと思う。