校長のあたまのなか

叱れない教師は指導力がないのでしょうか?

2024年7月24日 08時10分
研修

 笠原小学校の夏の校内研修は3日間あり、先生方が講師役になって、いろいろなテーマで講義や演習を行い、対話や協議に移っていきます。とても主体的で学びが多い研修だと感じます。生徒指導主任のこんな話が印象的でした。「学年が集まったときには、若手の教員が叱り役でした。学年主任を前に出すなと言われていました。厳しく叱ることが指導力だと、当時は思っていました。」

 ゼロトレランス(毅然とした対応)方式が、もてはやされた時期もありました。厳しさを良しとする考え方は、教育現場にまだ残っているように感じます。

 本校では、ポジティブな行動支援(Positive Behavior Support)のやり方で、ほめて子どもたちの行動を変えることを試みています。生徒指導主任は、「注意する・叱ることはしてはいけないのか」という問題提起をしてくれました。

 4月当初に、校長として「子どもたちを頭ごなしに叱ること」をやめるようにお願いしました。本校の先生たちは、大声で子供に怒鳴ったり、叱責したりすることはありません。

 しかし、叱らないことで子どもたちに舐められる、軽んじられると心配している方もいるかもしれません。もし、そうならば、村中直人さんの本を読んでほしいです。

 叱ることは教師が考えるほど効果がありません。「あなたのためを思って叱っている」は、ウソです。叱る人にとって快感なので、叱る依存が止まらないのだそうです。衝撃的な内容でしたが、納得しました。

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