校長のあたまのなか

チ。― 地球の運動について ー 「考えろ」

2025年4月8日 08時30分
研修

 本校の校訓の1つが「考える子」である。私たち教師は、子どもたちの考える力を育てようと、教材研究や校内研修を行い、日々、授業改善に取り組んでいる・・・ つもりである。

 だが、子どもたちは、学校で本当に考えているのだろうか。

 教師によって、子どもたちは「考えさせられている」状態に置かれているだけなのではないか。同調圧力の中で、子どもたちは「考えているふり」をしているだけなのではないか。

 そんな私個人のもやもやは、この漫画を読み返して晴れた。

 アニメが終了して話題になっている「チ。ー 地球の運動について ー」(作・画 魚豊 小学館)のコミックスの中には、すごい言葉が詰まっている。

 そのセリフをしゃべっている人物は、利己的で卑怯であるが、言葉の内容は妙に胸を打った。第6集40話ででドゥラカの叔父が言った言葉である。「考えろ」

その為に文字を学べ。本を読め。
「物知りになる為」じゃないぞ。「考える為」だ。
一見、無関係な情報と情報の間に関わりを見つけ出せ。

ただの情報を、使える知識に変えるんだ。
その過程に、知性が宿る。

知性があれば、留まる勇気と踏み出す度胸が得られる。

 まさしく、「探究学習」そのもの。本物の知である。笠原小の教師に目指してほしい「考える子」は、ここにある。

 「学校で勉強したことは、大人になって役に立たない」という子には、自信をもって私は伝えたい。

 考える楽しさを知ったら、考える方法を身に付けたら、探究して自分の考えをもったら、その経験は大人になっても必ず役に立つ。