例えば、他の子と同じような行動がとれず、自分勝手なことをするAさんがいたとします。「Aさんだけずるい」「自分勝手」「ぼくもAさんみたいにやりたい」と言う子には、学級担任のあなたはどう対応しますか?
担任が言うべきではないアウトな対応例は、「Aさんのことはいいの。」や「人のことはいいから、あなたは自分のことをやりなさい。」です。訴えてきた子の気持ちになると、何の解決にもなっていないし、自分の問いに向かい合ってくれない態度に失望するはずです。ゆくゆくは、「どうせ、言っても無駄」というあきらめにたどり着きます。
ベターな対応例としては、「あなたもやってみる?」「あなたは何をやりたいの?」ときくことが挙げられます。うらやましいだけならば、やらせてみると、こんなことか納得してもとの活動にもどってくることがあります。また、その子の満たされない思いから「ずるい」という言葉が出てくることもあります。そういうときには、自らの子ども理解の浅さを反省し、その子の思いに寄り添うように動いてみるべきではないでしょうか。
実は、アウトな対応は、学級担任だったころの昔の私です。ベターな対応は、私が感心した保育者の対応です。「ふうん、じゃあ せんせいと やってみるか。」「そうか、〇〇ちゃんも Aさんみたいに あそびたかったんだね。」と言って、平然と対応するのです。しばらくすると気が済んでおとなしくなりました。
小学校の担任も幼児教育での対応の仕方を知ることで、気持ちが楽になりますよ。自分勝手なことをする子も、それに文句を言う子も許せなくなると、学級経営がつらくなると思うのです。最後に、参考図書を1冊紹介します。
まどろっこしく感じる方も多いと思いますが、これが私の考える笠原小インクルーシブのやり方です。肝心の「自分勝手なことをする子」への対応は、次回。