校長のあたまのなか

小学校開校の日に思う

2024年5月21日 12時33分
その他

 5月21日は「小学校開校の日」。

 1869年5月21日、京都市に日本最初の近代小学校が開校したことに由来するとのことです。明治政府が学制を発布するよりも早く、地域の力で学校を建てたことがすごいです。

 司馬遼太郎の何かのエッセイで読んだ記憶があるのですが、当時は子どもは貴重な労働力で、上流階級以外の子は今でいうヤングケアラーでした。親も無理に学校に行かせる必要はないと考えていたようです。だからこそ、小学校の校舎をことさらに立派にして子どもを集めたそうです。

 本校も明治6年に開校したときには、宗有寺と永徳寺の境内に置かれていましたが、明治9年には校舎を新築しています。おそらく、村々が競うようにして新しい教育の象徴である新校舎を建てていったのでしょう。「坂の上の雲」をつかむような上り調子の勢いで、日本の初等教育が始まったのだろうと想像します。

 日本の初代文部大臣の森有礼(もりありのり)は、わずか38歳で就任し、わが国の教育諸制度を定めました。明治22年2月11日の大日本帝国憲法発布式典の日に暗殺され、43歳で亡くなりました。日本の近代教育は激動の幕開けだったと思うのです。