校長のあたまのなか

「おおきなかぶ」のひみつ

2024年6月21日 13時30分
その他

 みなさんは「おおきなかぶ」の話を知っていますね。1年生の国語の教科書にも載っています。どんなお話だったか思い出してください。おじいさんとおばあさんと孫の3人で引っ張ってもぬけないとき、どうしましたか。孫は犬をよんできました。どうせなら力持ちの大人かジャイアンを連れてくればよかったのに、なぜ、犬だったのでしょう。

 校長先生は、「大きなかぶ」のお話には秘密があると思うのです。犬は孫を引っ張るだけでなく、かぶの周りの土を掘ったのかもしれません。犬はだれをよびましたか? 仲間の大きな犬ではなく、自分より小さいねこでした。犬とねこで、かぶの周りの土をほり、ぬけやすくし、その間に人間は休めたかもしれません。ねこはだれをよびましたか? 大きなねこではなく自分よりも小さいねずみです。ねずみは、力も弱いし、あなをほるのもとくいではありません。でも、じょうぶな歯でかじることができます。大きなかぶの先っぽの根っこをかみ切ってぬけやすくしたかもしれません。ねこが苦手なはずのねずみが、ねこといっしょにひっぱったところもすごいです。

 なにより、かぶがぬけないときに、犬をよんできた孫のアイデアはすごいと思います。みんなも、何かうまくいかないときに、あたりまえのことをしてもダメなことがあるでしょう。新しい時代をつくっていく人は、あきらめずにいろいろなアイデアを試せる人なのです。アマゾンやアップル、フェイスブックなどの世界的に有名な会社を作った人たちは、子どものころは、勉強は苦手で、ちょっと変わったところがあったそうです。でも、大人になって大成功しました。

 今は、いろいろな考え方や感じ方をもった人が、おたがいの良さを認め合うことが大切な時代です。犬をよんできた女の子に「お前何やってんの。犬なんか呼んでも役に立つわけないじゃん。」と言うようでは、よい世界になっていかないと思います。 

 みんなでひっぱって、かぶがぬけたというだけのお話ですが、いろいろと考えながら読むと、役に立つことが書かれていると思います。みんなが持っている力やよいところを出し合って1つのことをなしとげるということは、大人になっても役立ちます。あなたのいいところと、友達のいいところを合体させて、笠原小学校をすてきな学校にしていきましょう。

【原稿に追加】 ところで、大きなかぶをどうやって食べたと思いますか。寒い土地であるロシアの昔話ですから、かぶは、5年生が今日学習していた「てんさい」のことです。しぼって砂糖を作ったと思います。だから、おじいさんは、「あまいあまいかぶになれ」と言っていたでしょう。おおきなかぶは、おおきなてんさいなのです。

(6月21日 第2回会礼 校長の話)