６年生で習う正比例は、中学校では一次関数とよばれ、ｙ＝aｘ と表されます。小学校２年生から親しんだ「×（かける）」の記号は、使われなくなるのです。同様に「÷（わる）」の記号は分数に置き換えられます。

　本校には、何人かの外国籍児童がいます。日常生活の日本語は問題ないのですが、学習言語でつまづくことがあります。例えば、三角形の概念や定義、二等辺三角形、正三角形、直角三角形などの算数の用語が難しいのです。そこで、日本語の取り出し指導でサポートを受けられる体制を整えています。

　外国籍の子どもたちの学習の困難さについては、以前から「ダブルリミテッド」という母国語も日本語も不十分な状態だと指摘されています。

　私たちが外国に住んで、子どもを現地の学校に通わせることを想像してみましょう。日常会話は何とかできたとしても、教科書の言葉の意味が分からないということが起きてしまうかもしれません。

　大人であっても、二等辺三角形、直角三角形、正三角形、辺、角などの用語を英語で言える人は少ないと思います。三角定規のうちの１つは「直角二等辺三角形」ですが、英語ではright angled isosceles triangle というみたいです。

　生活言語が身に付いていても、学習言語で苦労することが、学校現場で起きているのですが、対応が難しいです。学習についていけないと、知的に低いと誤認され、特別支援学級（知的）への入級を勧められることもありえます。