校長のあたまのなか

「自分勝手なことをする子」への対応

2024年7月12日 13時47分
特別支援教育

 「特別扱い大いに結構」が、笠原小インクルーシブのやり方です。

 本校の通常学級には、みんなと一緒に学習することが難しい子が何人かいます。自分勝手なことをしたり、授業の妨害をしたり、教室に居られなかったりします。そういう子に対しては、特別扱いするように指示しています。できていないことを無理にやらせようとしても、今より状況が良くならないどころか、逆に悪化することがあるからです。

 「〇〇さんだけ特別扱いできません。」「それは、甘えやわがままです。」「一人なら何とかなりますが、〇〇さんのような子が何人も出たら対応できません。」とかいう声も聞かれました。

 それでも、特別扱いをお願いしました。無理な部分は、校長が引き受けて納得してもらいました。そのほうが、担任にとっても、その子にとっても、幸せな状態を保てるからです。どんな特別扱いをしたのかについては、次回。

小数倍の意味を考える

2024年7月11日 14時25分
授業

 5年生の算数の学習で、「かける数が1より小さいときは、積はかけられる数より小さくなる」の理解が難しいと感じた。子どもたちは小数倍の意味をイメージできるだろうか。

 たとえば、4✕3=12なので、積である12は、4より大きくなっている。かけ算は同じ数のたし算だから、4✕3=4+4+4=12で、イメージできる。

 しかし、4✕0.3の場合はどうだろう。たし算でイメージすると 

✕0.3=4+??????? (私には わからん)

 校長は考えた。いろいろ考えた。うんと考えた。

アブ ハチ 確認

2024年7月10日 12時44分
環境教育

 昨日、学校のプールで、水泳の学習中に、6年女子が虫に刺されました。当初はハチだと言われていましたが、アブだったらしいです。確認のため、午前中にプールとビオトープを見て回りました。スズメバチやアシナガバチはいませんでしたが、シオヤアブがいました。これに刺されたのかもしれません。ハチの巣も付いていませんでした。

 ほかにも害虫がいるのではと、最近話題のクビアカツヤカミキリを探したのですが、いませんでした。そのかわり、ベニスズメという大きなガの幼虫を見つけました。一瞬、ヘビの子かとビックリしました。ちょっと気持ち悪い幼虫ですが、成虫になるとデルタ翼のかっこいいガになります。捕殺せず、そのままにしておきました。子どもたちが見つけたら、ギョッとして、報告に来ることでしょう。

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「一人だけずるい」と言われたら

2024年7月9日 12時34分
特別支援教育

 例えば、他の子と同じような行動がとれず、自分勝手なことをするAさんがいたとします。「Aさんだけずるい」「自分勝手」「ぼくもAさんみたいにやりたい」と言う子には、学級担任のあなたはどう対応しますか?

 こうすればよいというベストな対応はありませんが、アウトな対応とベターな対応は知っておくべきだと思います。

小さな森の小川

2024年7月4日 12時05分
環境教育

 本校北側斜面の草むらの中に石碑を見つけました。

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開校125周年のときのもののようです。調べてみました。

こども園と1年生の交流を参観して感じたこと

2024年7月2日 14時08分
園と小学校との接続

 園が立てる計画は、大きな枠だけを決めて子どもにゆだねる。だから、説明が短い。

 小学校が立てる計画は、ねらいから時間枠設定まで、教師が細かいことまで決めたがる。だから、説明が長い。

 園の保育者は、子どもと一緒に活動を楽しみながら、子どものつぶやきや行動から、その子の学びや成長を感じようとする。

 小学校の先生は、子どもの動きをコントロールしながら、事後に書かせたワークシートの情報から、その子の学びを評価しようとする。

 今回の活動は、こども園が立てた計画だったので、その場でペアを作って、学校のいろいろなところを見に行くという大まかなものだった。そこがよかったと、私は思う。

 後日、1年担任と年長の担任どうしで、どのように子どもを見取ったか伝え合う機会をもたせたい。

 「園の担任がどのように子どもを見ているのか」を知ったとき、私はとても新鮮に感じた。子どもを見取る視界が開けた気がした。小学校教員は、文字情報から子どもを比べ、評価することに慣れすぎてしまっていることを反省した。深い子ども理解のためには、保育者の視点を知ることが必要であり、幼児教育について知ることは、自らの教育観を高めることにつながる。

 今は、1学期の成績をつけたり、保護者面談のための資料を用意したりと、忙しい時期ではあるが、その子の成長の喜びを本人とともに分かち合える先生であってほしいと願う。

令和6年6月進捗状況

2024年7月1日 11時27分
働き方改革

 市教委から示された5月分の「小中学校時間外勤務の状況」では、時間外勤務時間平均も最長勤務時間も、全16校中際立って少なかった。

 6月分の自校集計では、さらに状況が改善されている。常勤20名の超過勤務時間(残業)の平均は、19時間46分で、5月より3時間49分減った。45時間超は0名、教頭と教務主任の超過勤務時間はそれぞれ、29時間37分と37時間10分だった。学級担任で最も超過勤務時間が長かったのは、33時間56分だった。

 本校の超過勤務時間が減った要因を分析してみた。

・6月は、教育委員会等の外部からの訪問がなかった。

・教頭と教務主任の超過勤務時間が短い。教頭は本校勤務3年目、教務主任本校勤務5年目なのも大きな要因か。

・朝の出勤時刻がゆっくりめで、一番初めに出勤する者でも午前7時15分ごろである。半数の者は午前7時30分以降に出勤する。

・生徒指導上の対応が早く、主任がどんどん動いてくれるので、問題が大きくならず、時間を取られない。

・事務、校務員、養護教諭の仕事が速くて正確。

・支援員さんたちが優秀で、担任を助けてくれている。

・休日出勤者がほぼゼロで仕事を回せている。

・働き方改革のアイデアをもっていて、校長に提案してくれる職員がいる。

・誰もメンタル的なダメージ等で体調を崩していない。

・育休代替の教員が優秀で、指導に手が掛からない。

・教頭の対応が柔らかく、職員室の雰囲気がとてもよい。

・普段から気軽に休暇を取得しやすい雰囲気がある。

Ⅾにするスイッチを入れるのは「環境」

2024年6月26日 12時02分
特別支援教育

 ASD、LD、AD/HD。これらは発達障害の診断名の略語である。2013年にアメリカ精神医学会が作成したDSM-5というマニュアルの日本語版にもとづいて、診断が行われている。マニュアルが変われば診断名も変わる。アスペルガー症候群や高機能自閉症等の診断名が使われなくなったのは、マニュアルが更新されたからである。

ASD(自閉症スペクトラム障害)

AD/HD(注意欠如/多動性障害)

LD(限局性学習症障害)

 これらの診断名の最後にはDが付く。これは、障害をあらわすDisorderの頭文字である。

 前頭葉や海馬などの脳の部位の機能不全、オキシトシンやセロトニン等の分泌や再取り込みがうまく調整できないことで引き起こされる障害であると言われてきた。遺伝的な要因も強いと言われている。

 いっぽうで、親からの虐待などのマルトリートメントや、愛着形成がうまくいかないことで、発達障害に似た子どもの表れが見られることがある。幼児の発達障害かどうかの判断は、専門医でも難しいそうである。