校長のあたまのなか

年長児給食参観

2025年12月8日 12時38分
園と小学校との接続

 笠原こども園の年長児が、1年生の給食参観に来ました。配ぜんのようすを観察していました。

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ノーベル博物館に漫画寄贈

2025年12月8日 12時08分
授業

 ノーベル生理学・医学賞受賞の坂口志文さんが、ノーベル博物館に日本の漫画「はたらく細胞」を寄贈したそうである。すてきな話だ。

https://www.yomiuri.co.jp/science/20251206-GYT1T00301/

 坂口さんは、「制御性T細胞」を発見した。 「はたらく細胞」の作者、清水茜さんは、女性の姿で擬人化している。アニメもいい。

https://hataraku-saibou.com/1st/character/?chara=regulatory_t_cell

 「10年間は見向きもされなかった」と、本人が語っているように、資金面でも実績の面でも長年苦労されての受賞である。改めて、基礎研究の大切さに気付かされる。

 AIなどの最先端の分野、すぐに成果が見えるような研究に目がいきがちだが、地味な基礎研究こそ科学の発展を支えている。坂口さんと同時にノーベル賞を受賞した北川進さんは、「無用の用」という言葉を大切にしていらっしゃる。

 小学校での理科教育の大切さに改めて気づかされる。役に立つ立たないという考えや、科学知識の暗記への偏重は、弊害でしかない。子どものころから、身近な自然や現象に興味をもたせ、調べることの面白さに気づかせることは、未来の科学者を生み出すことにつながる。

 自然環境が豊かな本校で、子どもたちがいろいろなものに興味をもって、ねばり強く学習を進めていけるようにするのは、教師の役目である。導入の小手先の工夫ではなく、本当に「おもしろい理科」の授業をつくってもらいたいと、期待している。

令和7年11月進捗状況

2025年12月5日 11時19分
働き方改革

 11月分の自校集計では、常勤20名の超過勤務時間(残業)の平均は、23時間30分だった。10月は30時間30分だったので、7時間減った。

 今月、45時間超は1名、教頭と教務主任の超過勤務時間はそれぞれ、74時間2分と29時間52分だった。学級担任で最も超過勤務時間が長かったのは、43時間8分だった。

 教頭に負担がかかってしまっているので、対応を考えたい。また、月の超過勤務時間が30時間を超える担任については、スクールサポートスタッフの活用を勧めるとともに、自己の働き方について考えさせたい。放課後の会議が少ない本校なので、午後6時には退庁できるような仕事の進め方を身に付けさせていくのが大切である。

 ただ、毎回午後6時に退庁したとしても、月に20日間働けば超過勤務時間はすぐに30時間を超えてしまうのだ。業務内容そのものの見直しがなければ、家庭への持ち帰りの仕事を増やすだけだ。なんとかしたい。

よい子を続けることのつらさ

2025年12月4日 08時36分
その他

 先日、「誰かのせいにしても不登校は解決しない」と、私見を述べました。その続きです。

 教育や行政の現場でいろいろなケースを見てくる中で、なんでこの子がと思うような子が不登校になり、原因がはっきりしないことがありました。

 「起立性調節障害」や「不安障害」などの病名がつけば、親はまだ安心できます。原因が分からないから、親も学校も知りたくなるのです。「何が悪かったのだろう」と。

 脳や発達障がいや症例に関する本を自分なりに読んできましたが、はっきりとした答えが見つかりません。「ああ、こういうこともあるのか。」と腑に落ちたのは、幼児教育を学ぶ中で読んだ漫画「リエゾン -こどものこころ診療所-」(講談社 原作・漫画:ヨンチャン)でした。園の保育者対象の研修でもたびたび取り上げました。

 「過剰適応」という症例があります。親や先生が子どもに過度な期待をかけ、良かれと思って先回りの支援をやりすぎると、子どもの主体性が奪われていきます。指示待ちとなり、周りに合わせようとする態度が育ちます。周囲の期待に応えようとする自分と本来の自分との折り合いがつかなくなると、よい子で居続けることが苦しくなるのです。

 本校の教員に伝えたいのは、問題ないと思っている子でも、本人が過剰適応になっているかもしれないと、思いを寄せてほしいということです。「深い子ども理解」の意味するところです。

 よい子を続けるつらさに耐えられなくなって燃え尽きてしまい(バーンアウト症候群というらしい)、不登校になってしまうと、周囲は原因が分からずに困惑するだろうと想像します。本人は不登校になる前からずっと苦しんでいたかもしれないのに、よい子だから誰にも気づかれず、誰も手を掛けないということがありうるのです。

 校長が「○○さんは、どう?」と尋ねたら、安易に「大丈夫です」と答えずに、何かあると思ってほしいです。

冬将軍(ふゆしょうぐん)

2025年12月4日 08時16分
環境教育

 きびしい寒さをもたらす上空の寒気の集団を擬人化した表現が冬将軍です。この冬、一人目の冬将軍が到来し、昨晩から寒くなっています。正門前の坂には、冬将軍が集めた落ち葉が山になっていました。働き者の将軍さまです。ありがとう。

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 遠州地方では、冬将軍が来ると、南の空に雲の列が長く連なります。積雲堤(せきうんてい)といいます。寒気が強いほど、雲が高くなります。今朝の積雲堤は、冬本番を思わせる高さです。これ以上高くなるようだと、平地でも風花が舞います。

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 天気図でも、冬型の気圧配置が強まっているのが分かります。

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(気象庁のホームページより引用)

 南岸に熱帯低気圧があります。冬将軍と台風が同時に見られるようならかなりめずらしいです。天気の学習をした5年生、要注目ですよ。

熊のせいだ

2025年12月3日 12時58分
防災

 2月に予定していた観音山少年自然の家での2泊3日の自然体験学習を変更した。クマのせいである。能がある四つ足(部首のれんが)の動物で、漢字で「熊」と書くそうだ。学習能力が高く、危険なのだからたちが悪い。誰かのせいにしないと先ほど書いたが、今回は熊のせいだ。 午前中に観音山少年自然の家の所長に電話し、キャンセルを詫びた。

宿泊体験学習の変更について.pdf
宿泊体験学習の変更について.pdfの1ページ目のサムネイル

 ヒグマよりもツキノワグマは安全とも言えないようだ。熊被害が多い東北各県では、分析と対策が進んでいる。

https://www.forest-akita.jp/data/sansai/kuma-taisaku/kuma.html

 これ以上は判断を延ばせないと思い、場所の変更を指示した。幸いにも同じ週に別の施設で予約が取れ、バスの手配ができた。保護者説明会をやり直すことになるので、そのための準備を進めたい。

誰かのせいにしてみても問題は解決しない

2025年12月3日 12時30分
その他

 昨日の夕方のニュースで、富士宮市が大変なことになっていることを知った。市議会の市長答弁の中で「子供が学校に行かないのはなぜかと考えてみると親が悪い。学校が悪いのではない。」(部分)と発言したのである。(その後、市長によって発言は撤回された。)
https://news.yahoo.co.jp/articles/44f2c16988d57e944e4309de36434f3d61e31b12

 市議会定例会では、議員の質問は事前に示され、事務方で答弁書が作成される。答弁書に「不登校は親のせい」と書かれることはありえない。もしかしたら、学校を守ろうという意図があって、市長自らの言葉で伝えたのかもしれない。市長が学校の応援団になってくれることは、一人の校長としてうれしいと感じる。ただ、議員が問いただしたのは「深刻化する不登校問題の現状と抜本的対策を問う」内容だったので、「親のせい」にしても抜本的対策にはつながらない。

 誰かのせいにしても、不登校は解決しない。自分以外の誰かのせいにすることで批判をかわしているだけである。一人の校長として、私がやれることは、子どもにとって学校を少しでも居心地のいい場所にすることである。「ちゃんと きちんと しっかりと」できなくても大目にみる特別扱いを認めるのである。子どもたちからも教師からも「ずるい」という声が上がらないようにするのが、校長の役目である。

 逃げ場所があって、弱音を吐けるのならば、子どもたちは学校から完全離脱することはないと信じている。親も先生も友達も、その子を限界まで追い詰めないようにすることだ。自分が校長のときは、新規不登校の子をつくらないように、一人ひとりの子の思いに寄りそっていこうと思う。