校長のあたまのなか

公立園職員の選挙へのかかわり

2025年4月21日 12時35分
園と小学校との接続

 4月20日、袋井・磐田両市で、市長と市議会議員選挙が行われました。笠原地区から立候補された方も当選していて、精力的に支えていた地元の方も安堵しているのではないでしょうか。

 小中学校の教職員は、教育公務員特例法で政治行為が制限され、選挙運動を行うことは禁止されているため、自分で投票に行く以外は、選挙へのかかわりが薄いと感じます。

 ところが、公立園の正規職員は(割り当てで)選挙そのものにかかわることがあるので大変です。3年間勤務した磐田市幼稚園保育園課での経験では、公立園の保育者に、期日前投票、選挙受付、開票作業などに従事してもらうことがありました。ある園長さんからは、「若いころ選挙の仕事によく当たったけど、夜中まで開票作業をして、朝から園に出勤したときにはつらかった。」と言う話を聞きました。

 小中学校の教職員は、公立園のように選挙の運営に従事しなくてもよいのはなぜでしょうか?

 小中学校の教職員は市町村の職員ですが、「設置者負担の原則の例外として、その給与については都道府県の負担とし、給与水準の確保と一定水準の教職員の確保を図り、教育水準の維持向上を図る。」と定められ、給与の3分の1を国が負担しています。

 私たちは県費負担教職員と呼ばれ、市長に人事裁量権があるわけではないので、選挙事務等から免除されているのかもしれません。市で直接採用されている職員も学校にはいるのですが、会計年度や臨時での任用のため、やはり選挙事務を免除されているのではないでしょうか。園の正規職員に対して、申し訳ない気持ちがあります。

 4月の忙しい時期に加え、今年は7月28日に参院選もあるため、園の先生のご苦労を思うと本当に頭が下がります。小中学校の先生には、公立園の正規職員の大変さを分かってもらいたいと思い、長々と書き連ねました。 

ビオトープの水草に注意

2025年4月21日 09時05分
環境教育

 毎年、教師や子どもたちの手で取り除いていますが、根が残ってしまうのか、また増えてきました。笠原小のビオトープで、気をつけなければいけない水草は3種類です。

 まずは、ウオーターポピー(みずひなげし)、外来種です。葉が丸いので、すぐに分かります。

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 次はオオフサモです。

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 3つめはクレソン(オランダガラシ)ですが、今年はまだ目立ちません。

 これらの植物は、水路を埋めつくしてしまうほど増えるので、取り除いて燃えるゴミで処分します。

 これらの植物のかわりに、在来種のセリ、アサザ、コナギなどが増えると、里山の流れのような自然環境ができます。

安全基地の大切さ

2025年4月18日 10時24分
園と小学校との接続

 園で保育者にくっついて離れない子を見かけることがあります。私が、園を訪問したてのころは、甘えん坊な子だと思っていました。幼児理解が進むと、愛着形成に問題があることが分かってきました。

 母親や保育者など、特定の人と愛着形成ができると、自分の安全基地をもてるようになります。広島県教育委員会が作成したポスターが、私はお気に入りなので以下に添付しておきます。

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 安全基地ができると、幼児は少しずつその人から離れて、探索行動をとり始めます。不安になると、安全基地である特定の人のところに戻ってきて、自分の安全を確かめます。繰り返すうちにだんだん、安全基地である特定の人から離れても、見守ってくれているだけで安心できるようになるのです。園のときに、母子分離不安がある子を無理に母親から引き離さない対応は、正解だと思います。何事も急ぎすぎてはいけません。愛着形成の問題は深刻で、幼児期に安全基地をもたない弊害は、成長してから現れることがあります。

 1年生の中にも、安全基地が完成していないと感じる子がいます。そういう子は、わがままなだけに見えます。1年生の指導にかかわる教員は、注意が必要です。「ちゃんと、きちんと、しっかりと」やらせようとしても逆効果です。言葉で説明しても、なだめても、その子には届いていません。しばらく、そのままにしておくのがよいです。無理にやらせようとすると、その子にとって、教員が安全基地ではなく、攻撃基地になってしまいます。小学校が心理的に安全な場所でなくなれば、その子は二次障害として不適応を起こします。

 子どもに愛情を注ぐというのは、単に甘やかせることではなく、教員がその子の安全基地になれるように寄り添うことです。学級の心理的安全性を高めることが、小1ギャップをへらすことになると思うのです。

 架け橋期である1年生への接し方は、園の保育者から学ぶのが一番です。私は校長として、自校の教員をとなりの笠原こども園に積極的に連れ出そうと思っているところです。

【重要】土砂災害警戒区域について改めて情報提供

2025年4月17日 08時22分
防災

 本校は、学校の北側と西側に土砂災害警戒区域があります。(学校に隣接して2つもあるのはめずらしいのではないでしょうか。)特に北側の崖はレッドゾーンになっているため、地域に通学路の変更を働きかけたところです。教職員、保護者、地域の方に危険度を知ってもらうために、静岡県から出ている情報を発信することにします。

 まずは、区域図です。

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  次は、よくある質問と回答です。

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 静岡県のホームページへのリンクです。

https://www.pref.shizuoka.jp/machizukuri/kasensabo/sabo/dosyakei/index.html

 昨年度からの校長の判断と自治会や行政の対応は、続きにあります。

セイヨウタンポポ 包囲網

2025年4月16日 10時02分
環境教育

 朝の交通指導のついでに、道端に生えているタンポポを観察しながら、笠原こども園の東側を通り、笠原コミュニティーセンターの坂を上って学校に帰りました。すべて外来種のセイヨウタンポポでした。

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 学校の運動場を見ると、ブランコや遊具のある辺りは、セイヨウタンポポが多く、登り棒の辺りに雑種のタンポポがありました。

 在来種のタンポポが残っているのは、ビオトープと森の辺りで、やはりセイヨウタンポポに囲まれているみたいです。

【探究の種】

 通学路や家の周りのタンポポを調べて、分布図にまとめたらりっぱな研究になります。

朝の交通指導 警察の方もいっしょに

2025年4月16日 09時38分
地域との連携

 変更した学校東側通学路の安全と交通量の確認を行っています。三沢の保護者がベビーカーを押して、一緒に登校してくれていました。途中の分岐には、浅羽交番の警察官が見守ってくれています。

 登下校の時間帯には、保護者を含め地元の方の車が数台通る程度で、特別に危険というわけではないように思います。むしろ、学校の北門の坂の方が、教職員の車、児童送迎の車、業者等の車で往来が多いくらいです。

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 今日は交通安全教室があります。交通指導員やスクールボランティアの方がお見えになり、対応してくれます。まず、1年生が教室でお話をしっかりと聞いていました。

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遊ばせるほど奉仕作業が楽になる

2025年4月15日 14時42分
地域との連携

 整備した学校の森では、休み時間に子どもたちが元気に遊んでいます。たくさんの子が踏みつけるので、草があまり生えてきません。

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 1年前のようすと比べると大違いです。1年前の5月初めは、トキワツユクサがうっそうと茂っていました。

トキワツユクサ

 トキワツユクサは重点対策外来種であり、各地で駆除が進められています。わずかに毒性もあるようです。下のリンクは、三浦半島での取り組みです。

https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/5555/bustres/documents/m03_tokiwatuyukusa.pdf

 今でも、本校の森には、トキワツユクサが残っていますが、見つけて抜き取って燃えるゴミにしているところです。ランナーを横に伸ばして増えるので、根気よく駆除を続ける必要があります。

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 例年、学校に隣接した森は、PTA奉仕作業で10数台の草刈り機で、大規模に刈らないと近所から苦情が出かねない状況でした。森を整備したおかげで、子どもたちは喜び、大人の奉仕作業も楽になる。すばらしいことだと思うのです。

https://kasahara-e.fukuroi.ed.jp/plugin/blogs/show/15/34/2745

外来種でもない 在来種でもない

2025年4月15日 11時23分
環境教育

 校地の巡視を兼ねて、自然観察を行っている。タンポポがあちこちで花を咲かせているが、観察して驚いたことがある。外来種のセイヨウタンポポでもなく、在来種のトウカイタンポポやヒロハタンポポでもない、別のタンポポが圧倒的に多かったのだ。

 花の裏をめくると、台座の部分が反り返っているのが、外来種のセイヨウタンポポである。花も茎もやや大振りである。在来種の日本のタンポポは花が小さめで茎もきゃしゃである。下の画像が在来種のタンポポ。

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 花の下をめくると、台座の部分が下に反り返っていない。

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 セイヨウタンポポは、花が大きめ。

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 花の下を見ると、台座の部分が下に反り返る。

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 笠原小に圧倒的に多いのは、在来種の花のように小さめなのだが、花の下の台座は反り返っている雑種である。

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 セイヨウタンポポは単為生殖ができ、在来種のタンポポよりも強いと言われていた。市街地などで分布を広げ、外来種が在来種のタンポポを追いやってしまうと予想されていた。実際は、外来種と在来種がくっついて、雑種をつくり、分布を広げていたのである。

 30年ほど前、私が磐田郡竜洋町(旧磐田市)でタンポポの分布を調査したころには、「タンポポ戦争」と呼ばれ、セイヨウタンポポが優勢だった。わずかに残った在来種のシロバナタンポポは、やがて見られなくなりそうだった。

 今、笠原では、在来種の特徴を残しながらも外来種の強さを取り入れたハーフ(雑種)が増え、外来種や在来種とも共存している。これって、すばらしいことだと思う。

 ここからは、校長の推理。笠原小になぜこれほど雑種のタンポポが多いのか。私は校務員の山下さんの草刈りに秘密があると考えている。本校の校務員は働きもので、頻繁に草を刈ってくれている。そのため、セイヨウタンポポの旺盛な繁殖力が抑えられ、バランスが取れているのではないか。