校長のあたまのなか

昭和レトロ 「たのしい授業」

2024年5月28日 13時55分
授業

 「たのしい授業」という雑誌がありました。(失礼、今でもあります。)

 私が大学生のとき、講師をしていた富士市の進学塾に揃っていて、毎回読むのを楽しみにしていました。塾長が仮説実験授業が好きで、「授業書」も全部ありました。板倉聖宣さんの授業に対する考え方や、キミ子方式という絵の描かせ方に魅かれ、教師になってからの実践で取り入れてみたものでした。

 20代のころ、「授業書」の通りにやった重さの授業で、子どもたちの反応がとてもよかったのを今でも覚えています。科学の本質に触れながら、子どもたちに選択させ、考えさせる授業は、令和になった今でも古さを感じさせません。当時は、教育技術の法則化運動が全盛で、仮説実験授業は批判の的になることもありました。令和の時代になって、アクティブ・ラーニングとして「仮説実験授業」は、もっと評価されてよいのではと個人的に思います。

 理科離れ、理科嫌いが進み、子どもも教師も理科を敬遠しがちなところがあります。将来的には教科担任制に移行していくのでしょうが、理科が苦手な先生でも、仮説実験授業のやり方を知ることで、自分の教え方のバリエーションが広がると感じます。

 以前、本校の教員には、「袋井型の授業スタイル」以外のバリエーションを増やす時期にきていると話しました。先生方にいろいろな授業スタイルの情報提供ができればと考えています。懐古趣味でも、昔がよかったからと押し付けたいわけでもありません。「昭和レトロ」だけど、参考になる授業の進め方や考え方があれば、自分の糧としてください。

(本校若手教員へのメッセージ)