校長のあたまのなか

学校ビオトープとのかかわり

2024年5月31日 17時00分
環境教育

 平成が始まった頃、静岡大学の構内の外れの原っぱに、ログハウス風の小屋とちょっとした池のようなものができた。それが、杉山恵一教授が造ったビオトープだった。環境教育に興味をもっていた私は、いつかは自分でもビオトープを造ってみたいと思うようになった。教員になってからは、勤務した小学校でビオトープとのかかわりが濃かった。

 竜洋町立(現 磐田市立)竜洋東小学校では、平成9~12年 ビオトープ設計、施工、「袖浦杜」命名。山崎賞、第1回全国学校ビオトープコンクール奨励賞。学区に竜洋昆虫自然観察公園がオープンする時期と重なり、連携を深めた。地域の方が今でも管理してくれている。

 磐田市立向笠小学校では、平成14~18年 ビオトープ設計、施工、命名。1万平方メートルをこえる広大なビオトープ。全国学校ビオトープコンクール2005 環境大臣賞、第13回コカ・コーラ環境教育賞、こどもエコクラブ全国フェスティバルinかめやま 静岡県選抜。学区に桶ヶ谷沼ビジターセンターがオープンする時期と重なり、連携を深めた。令和7年度末に学校統合により閉校のため、学校ビオトープとしての役割を終える。

 磐田市立東部小学校では、平成19~21年にすでにあったビオトープの改修等を行った。しかし、令和2年には隣接する東部幼稚園民営化準備により、更地となり学校ビオトープは消滅した。

 袋井市立浅羽東小学校では、すでにビオトープをもっていたが、教頭職多忙のため手つかず。平成30年に樹木札設置を支援した。

 磐田市立磐田西小学校では、隣接する磐田西幼稚園のこども園化工事に伴い、平成30年には学校ビオトープ消滅。駐車場に変わってしまった。

 そして、校長になって赴任した袋井市立笠原小学校にもビオトープがある。平成24年、笠原小学校の大竹佳子教諭(現 掛川市立佐束小学校長)が、私のところに、笠原小学校のビオトープの改修の助言を求めに来た。当時、磐田市教委勤務で余裕がなかったので、ビオトープ関連書籍数冊とジュズダマやノジスミレ等の種子を渡した。本校ことう教室には、当時渡したビオトープ関連書籍の一部が残されていた。

 校長になれば、自分で授業を受け持つことはないが、先生方が学校ビオトープを活用して楽しい学習ができるように後方支援することはできる。ビオトープが学校の強みになるような教育活動の仕掛けを考えていこうと思う。