今からの10年間が人生の土台をつくる(卒業文集)
2025年3月17日 15時00分今からの10年間が人生の土台をつくる
校長 岡本正彦
「人生100年時代」と言われます。昔、織田信長のころには「人生50年」だったのですから、倍に伸びたことになります。実は江戸時代の後期でも、日本人の平均寿命は30歳程度だったそうです。
令和の今、長寿になった私たちは幸せと言えるでしょうか。かつてない変化の激しい時代に生き、多様性が叫ばれることから、何が正解なのかよく分からなくなってきています。生き方の手本が見つけにくくなっているのです。
そんな中で、これからの10年間はみなさんにとって、残りの人生で生かすスキルを身に付ける密度の濃い大切な時間となります。学歴、スポーツでの実績、特技、ボランティア等の体験を重ね、成長していくのです。
また、友人、先輩・後輩、教師、地域の人など人間関係の輪が広がっていきます。社会の中で人とつながりながら生きていく術を磨いていくことになるでしょう。苦手な人とは上手に距離をとって、つきあう方法も身に付けなくてはなりません。
食べて寝るだけの長生きの人生は、幸せですか。自分がやりたいことを精一杯やれる人生が、幸せなのだと思うのです。
どんな時代が来ようとも対応できるように、今からの10年間で自分を鍛え、自分の力を伸ばしておきましょう。
これからのみなさんの人生が、豊かで幸せなものになることを祈っています。
(令和6年度卒業文集への寄稿)