がっこうごっこ
2025年2月5日 16時25分年長児が3学期に1年生の学習を参観に行く活動がよく行われています。何のために見に来るのでしょうか。
園の年長児のアプローチカリキュラムの実態は、小学校教員にはよく見えません。私が3年間、磐田市の幼稚園保育園課で参観したときには、多くの園で「がっこうごっこ」が見られました。
Aこども園では、子どもたちは小学校の教室で見てきたものを再現して、「がっこうごっこ」を始めていました。ダンボールでランドセルを作り、教室の風景を再現すると、ホワイトボードに文字や数字を書いて授業が始まるのです。先生役と児童役に分かれ楽しんで遊んでいました。分からないことが出てくると、またとなりの小学校に見に行って確認したり、教えてもらったりするのです。
Bこども園では、タブレットを使って小学校の校長先生に質問をして、入学前から交流が始まっていました。1年生と動画でやり取りする活動は、園としては新鮮でした。園の職員室に小学校の先生方がいるくらい、職員同士の交流も活発でした。園児が小学校の先生を名前で呼んでいて、びっくりしたのを覚えています。
C幼稚園では、1年生が園を訪れ、年長児と一緒に活動していました。小学校での集会にも園児が招待されていました。入学前から小学校に対する抵抗感がうすくなっていくのを感じました。
いっぽう、Ⅾ保育園では、入学前に子どもたちの態度を改める一斉指導が始まりました。返事の仕方、手の挙げ方、姿勢、話の聞き方や紙の牛乳パックの開き方まで指導して、小学校で困らないようにさせようとしていました。
私立園の中には、小学校から卒園児に対する苦情がくることを極端に嫌がることがあります。「あの園の子たちは子どもが育っていない。」と小学校から言われるのは避けたいし、内心、「小学校で育てる力を園に押し付けてくるのはいかがなものか。」と思っているのです。
小学校側のちょっとしたものの言い方で園を敏感にさせてしまうことを、主幹教諭や教務主任は知っておくべきだと思うのです。園の保育者を小学校に集めて連絡会や情報交換会を行うときには、気をつけましょう。
私個人としては、アプローチカリキュラムは、「がっこうごっこ」のように園児が小学校への入学の期待を高める楽しい活動になったらよいと願っています。