優れたものが必ずしも残るわけではない
卒業文集への寄稿です。
優れたものが必ずしも残るわけではない
校長 岡本正彦
ブルーレイディスクが生産終了、4Kテレビは一般に普及していかないそうだ。性能的には優れているのに。
これと同じようなことは、昔もあった。四十年ほど前、ビデオテープでVHSとベータが競合した。性能的にはベータの方が優れていたそうだが、残ったのはVHSだった。その後もⅮAT(デジタルオーディオテープ)やMD(ミニディスク)、LD(レーザーディスク)が、生産中止となり、CⅮ(コンパクトディスク)も生産量が激減し、サブスクが主流となっている。
情報・音響機器や端末は、性能的に優れているものではなく、みんなに使われるものが残った。今、一番使われているのは、スマートフォンである。
生物の進化の過程においても、優れたものが生き残ってきたわけではない。環境に適応し、数を増やした生物が勝者なのだ。
私は、「優れたものが必ずしも残るわけではない」のは、人にも当てはまると思う。勉強ができる、運動ができる、容姿が美しいなど、才能があってスペックが高い者が、成功をつかみ、幸せであるとは限らない。
みんなに使われる、言い換えれば「他人から必要とされる」人間が強いし、充実した人生を送れると思う。他と協働する力、自分の頭で考える力、自分の考えを発信する力、そして、利他的な行動力が、あなたの未来の武器になる。ただし、他人から必要とされるとは、他人から(悪いように)利用されることではない。そうならないために自分の頭で考え、判断するのだ。
最後に、卒業おめでとう。すてきな未来をつかんでほしい。