校長のあたまのなか

三輪神社と蛇(へび)

2025年9月25日 09時31分
笠原の歴史

 校歌と古事記のつながりを調べていく中で、「三輪」での娘と蛇の関係の類似に気付いた。正確な出典は不明だが、地元に伝わる昔話に「三輪神社とおもい川」がある。

https://chuen.net/mukashi/mukashi_115.html

 美しい長者の娘のもとに何度も求婚に来る男がいた。名前も身分も明かさないので不審に思い、賢い娘は男の服に糸を縫い付けた。糸をたどっていくと、三輪神社にたどり着く。娘は男が神様だったことに気付くが、姿を見られた神様は、大蛇の姿で池で死んでいた。男が通ってきた川を「おもい川」と呼ぶようになった。

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グーグルマップ 三輪神社

 古事記の記述では、死んでしまうのは娘である。娘の名前は、「やまとももそびめ」であり、箸墓古墳にまつられている。

 やまとももそびめのもとに来る立派な男は、夜にしか姿を見せない。どうしても姿を見たくなったひめは男にお願いした。男は朝になったら箱の中を見ろと言った。ひめが箱を開けると蛇が入っていて驚いてしまった。正体を見せて恥をかかされたと感じた神様は、三輪山に帰ってしまった。ひめは、たたりで死んでしまう。このやまともももそびめのみこと(倭迹迹日百襲姫命)が、卑弥呼のモデルだという人もいる。歴史はおもしろい。

 娘のところに来る男の正体が神様(蛇)で、正体が明かされると笠原の神様は恥じて自殺し、奈良の神様は娘の方をたたりで殺してしまった。笠原の昔話の方が新しくつくられ、古事記を参考にしていると想像されるが、娘を殺さなかったことに神のやさしさを感じる。

 昔話に出てくる「おもい川」は、三沢川のことだろうか? 大蛇が死んだ上池は今も残っているのだろうか?笠原の歴史に詳しい地元の方に聞いてみたい。